日本のSUV市場においてニットーと聞けば、オン・オフ対応のA/Tタイヤ「テラグラップラー」が有名だ。しかし最近のオフロードシーンを眺めてみると、M/Tタイヤへの要望が着実に高まっている模様。そこで、ここでは「全米が認めた」ニットーのM/Tタイヤについて改めて知識を深めていこう。
▷text by JSB
アメリカ仕込みのパフォーマンスを日本のJeep界へフィードバック
いまJeepラングラーは「空前のブーム」真っ只中にある。某ディーラーによれば2月1日現在、新車は8〜10カ月待ちで、その影響を受けた中古車の価格は急騰。なんと先代JKラングラーですら驚くほどのプライスタグが掲げられているのが現状だ。
その人気を支えているのが豊富なカスタムパーツ群たち。他のクルマとは比較にならないほど充実したラインナップは、ジープを選ぶ理由のひとつでもある。なかでもジープらしい走りを可能とし、そしてルックスを大幅にUPさせてくれるM/Tタイヤの存在は計り知れない。
そんなタイヤ市場で気を吐くのが「ニットー」だ。日本製ながら国内よりアメリカの方が認知度は高いかもしれないという稀有なブランドである。以前からUS市場に力を注いできただけに根強いファンが多く、また積極的なレース活動へのサポートなどによって、「ニットー=高性能」がアメリカでの評価となっているのだろう。事実、カリフォルニアなどでリフトアップされたジープを見ると、その足元にニットーが装着されているケースはきわめて高い。
さて、そんな本格派オフローダーたちから圧倒的な支持を得るニットーだが、ここでは今シーズン我われが注目すべきふたつの「M/Tタイヤ」を紹介したい。
まずは見た目にも猛々しい「マッドグラップラー」。荒地や険しい岩場、さらには泥濘な路面など、さまざまな道路条件にあっても充分なトラクション性能を発揮する本格的なM/Tタイヤだ。砂地に恐竜の足跡が付くという独創的なトレッドパターンは、神奈川県の老舗オフロードショップ・クワドロペッドの市来代表がデザインを監修したというユニークなもの。いかにもアメリカ人が好みそうな意匠だが、しかし見た目だけではないそのデザインは、ショルダー部からサイドへとつながり、岩場での耐久性・耐外傷性をも確保している。
そしてもうひとつが「トレイルグラップラーM/T」。こちらもオフロード走行に対応する走破性や耐久性を有しつつ、オンロードでの操縦安定性や静粛性を兼ね備えた二刀流といっていい。街中での使用がメインながらも、イザという時には余裕をもって過酷な悪路を走破できるパフォーマンスこそが、このタイヤの真骨頂なのだ。もちろんいかにもM/Tらしいアグレッシブなトレッドパターンも、旬なオフロード感をしっかり演出してくれている。
アメリカのリアルな本格オフローダーたちがニットーを指名するのは、そこに確かな性能と信頼があるからだ。
for OFF ROAD
実際にワイルドな走りを楽しむオフ派に「NITTO」は2シリーズをラインナップ。マッドやロック中心か?アドべンチャー、あるいはストリートカスタムか?豊富なサイズ設定もうれしい。
ハードコア志向にオススメな本格オフロードスペック
サイドウォールにまで回り込むアグレッシブなトレッドパターンが大きな魅力の、もっともワイルドなシリーズ。片側にだけリザードスキンの模様をもち、好みで表と裏を履き分けることも可能だ。大型のブロックパターンと3プライの内部構造で強靭さは筋金入り。オフロードをハードに攻め込みたい人なら、このタイヤ一択だ。
Size
20インチ | 33×12.50 R20 LT 114Q |
〃 | 35×12.50 R20 LT 121Q |
〃 | 37×13.50 R20 LT 127Q |
〃 | 38×15.50 R20 LT 125Q |
18インチ | 38×15.50 R18 LT 128Q |
17インチ | 35×12.50 R17 LT 121P |
〃 | 37×13.50 R17 LT 121P |
16インチ | LT305/70 R16 124P |
〃 | LT315/75 R16 127P |
横方向のリブを多く与えられたパターンは、どんな路面でも前進していけるグリップ力を発揮。また、詰まった泥などの排出性も高く、一定のトラクションをキープしていけるのもグリップ力向上に大きく貢献しているという。
三層のポリエステルとスチールベルトを秘める内部構造はロックセクションなどでもきわめて有効。グリップ力だけでなく強さは安心して悪路にアタックできる最大の武器。
オフロード性能とストリートでの快適性が両立
MUD GRAPPLERに追従できるオフでの走破性を保ちつつ、舗装路でのロードノイズ軽減に最大限の開発力を注いだ異色のM/T(マッドテレーン)タイヤ。やはり三層の内部構造をもち強靭さは折り紙付き。そして裏表でロゴの文字のデザインが異なるデュアルサイドウォールデザイン。ファッション性も損なわないどころか十分に兼ね備えるタイヤだ。
Size
26インチ | 40×15.50 R26LT 126Q |
24インチ | 38×13.50 R24LT 123Q |
〃 | 40×15.50 R24LT 128P |
〃 | LT375/40 R24 126Q |
22インチ | 37×13.50 R22LT 123Q |
〃 | 42×15.50 R22LT 124Q |
20インチ | 35×12.50 R20LT 121Q |
〃 | 37×12.50 R20LT 126Q |
〃 | 37×13.50 R20LT 127Q |
〃 | 40×15.50 R20LT 128Q |
〃 | 42×13.50 R20LT 124Q |
〃 | LT305/55 R20 121Q |
18インチ | 35×12.50R18LT 123Q |
〃 | LT285/65 R18 125Q |
〃 | LT295/70 R18 129Q |
17インチ | 35×12.50 R17LT 121Q |
〃 | 37×12.50 R17LT 124Q |
〃 | 40×13.50 R17LT 121P |
〃 | LT265/70 R17 121Q |
〃 | LT295/70 R17 121P |
16インチ | LT265/75 R16 119P |
〃 | LT285/75 R16 126Q |
〃 | LT315/75 R16 127Q |
15インチ | 33×12.50 R15LT 108Q |
有効接地面積を十分に確保したパターンは舗装路や雨天時のグリップも見た目以上に高いレベル。そして柔軟性も併せ持ち、ストリート派からも高評価を集める。
for ON ROAD
ストリートを中心に、しかしオフロードテイストも欠かせない…。そんな指向にはオールテレーンタイプがお勧め。M/Tシリーズ同様、2シリーズのJeepラインナップが近日中に発売予定か!?
MudとAllのクロスオーバー
A/T・M/Tそれぞれの特性をいいとこ取りし、すべてのロードコンディション下で安定した走りを約束するハイブリッドテレーンと銘打ったタイヤ。その性能はまさに現代のもので、ドライ・ウェットを問わず舗装路でも悪路でも抜群の安定性が自慢。
斜め方向のジグザグなグルーヴが悪路でのトラクション確保に貢献するデザイン。またグルーヴの底には小石の排出を促進するストーンイジェクターを投入しているのも特色。
全地形対応型のオールラウンダー
すでに海外で高い評価を集めているA/Tタイヤの決定版。耐摩耗性の高いコンパウンドを採用しロングライフを約束してくれるが、サイドと中央のブロックを根元で連結させ、優れた強度も確保。こちらも表と裏でパターンが異なるデュアルデザインを採用。
A/Tタイヤとしてはサイドウォールにも深いトレッドパターンを与えられており、オフロードでも不安のないグリップ力を確保しているというのが「NITTO」ならではだ。