オフロードタイヤの基礎知識
〜ホイールとタイヤをセットで考えることがポイント〜
オンロード用とは異なり、パターンのデザインやサイズでクルマの雰囲気が変わるオフロード用タイヤの選択は、なかなか悩ましい。しかし実はオフロード系のタイヤ選びはこの前に解説したホイール選びの段階から始まっている。ホイールの幅はどれくらいか?その幅はボディに収まるのか?リフトアップは必要か?などの要素も関わってくるからだ。
カッコ良いホイールであれば、エクストリーム系パターンのゴツゴツしたタイヤを履きたくなるのは自然な流れ。しかしこうしたタイヤはその見た目の分、オンロードでの乗り心地や静寂性を犠牲にしなければならないことも事実なのである。そこでこの「タイヤ」の項目では、オンロード走行がメインで時々オフロードを走る/メインはオンロードだけどオフロードの走破性も捨てがたいといったように、TPOに沿ったカテゴリーから現オフロード界で親しまれるタイヤについて考察。近年人気の「迫力のあるパターンをもちつつも、オンロードを快適に走れる」ハイブリッドタイヤやオフロードタイヤにおけるサイズ表記の見方などを解説していこう。
タイヤサイズの表記について
オフロード系のタイヤサイズについては、特有のサイズ表記を採用しているもの(左)と一般的なロードタイヤと同じサイズ表記(右)の2タイプが存在。まずはそれぞれの違いを正しく理解することがタイヤ選びのポイントだ。
オフロード/トラック向け用タイヤ表記
①タイヤの直径。単位はインチ(1インチ=25.4mm)で純粋にタイヤの高さを示す。この33サイズだと約838mmとなる。
②タイヤの幅。こちらも単位はインチ(25.4mm)。12.5なら約317mmだ。
③ラジアルタイヤ(普通乗用車用)タイヤの意味。
④ホイールの径。単位はインチ(1インチ=約25.4ミリ)。
⑤Light Truck用タイヤの意味。特に記載がない場合もある。
一般的なタイヤと一部のオフロードタイヤ用表記
①タイヤの幅=路面と設置する面、タイヤのパターン部分の幅で、単位はミリ(mm)。
②扁平率。幅に対するタイヤの厚み。数字が小さいほど薄いタイヤとなる。275×0.70=約192ミリ。
③ラジアルタイヤ(普通乗用車用)タイヤの意味。
④ホイールの径。単位はインチ(1インチ=約25.4ミリ)。
⑤ロードインデックス。タイヤ一本が耐えられる重さ(耐荷重)の指数。
⑥スピードレンジ。最高何キロ(時速)の走行まで想定されているか。よく目にするS=180km/h 、H=210km/h、V=240km/hまでとなっている。
オフロード系タイヤの種類と最近の傾向
各タイヤメーカーでは、ハードなオフロード走行に向けたもの、オフロードとストリートを両立したもの、ストリートがメインといったようにユーザーの使用環境に合わせてある程度タイヤの区分けがされているので、まずは自分のスタイルに当てはまるカテゴリーを見つけることがタイヤ選びの近道だ。ここではそれぞれに対しルックスとパフォーマンスの両立、つまり機能美を求めた「NITTO」のラインナップを例に各カテゴリーをみていこう。
マッドグラップラー:エクストリームマッドテレン
オフロード | ★★★★★★☆ |
ストリート | ★★★☆☆☆☆ |
乗り心地 | ★☆☆☆☆☆☆ |
NITTOの中、もっともワイルドなマッドグラップラーは、サイドウォールにまで回り込むアグレッシブなトレッドパターンがポイント。それら横方向のリブを与えられたパターンは、どんな路面でもグリップ力を発揮し、詰まった泥などの排出性も高く、一定のトラクションをキープできるのが特徴。片側にだけリザードスキンの模様をもち、好みで表と裏を履き分けることも可能だ。
トレイルグラップラー エムティー:マッドテレン
オフロード | ★★★★★★☆ |
ストリート | ★★★★☆☆☆ |
乗り心地 | ★★★☆☆☆☆ |
MUD GRAPPLERに追従できる性能を備えつつ、オンロードでのノイズ軽減にも力を注いだトレイルグラップラーエムティー。裏表でフォントのデザインが異なるデュアルサイドウォールデザインとし、有効接地面積を十分に確保したパターンはドライなアスファルトはもちろん、雨天時のグリップにも期待できるもの。柔軟性も併せ持ち、ストリート派からも高評価を集めている。
リッジグラップラー:ハイブリッドテレン
オフロード | ★★★★★☆☆ |
ストリート | ★★★★★★☆ |
乗り心地 | ★★★★★☆☆ |
メインはストリート、しかしオフロードらしい見た目と性能も欠かせないというユーザーに向けて開発されたリッジグラップラーは、ドライ・ウェットを問わず、すべてのロードコンディションで安定した走りを約束。斜め方向に入ったジグザグなグルーヴ、またその底には小石の排出を促進するストーンイジェクターを投入するなどオフロードタイヤらしい見た目が特徴だ。
テラグラップラージーツー:オールテレン
オフロード | ★★★★☆☆☆ |
ストリート | ★★★★★☆☆ |
乗り心地 | ★★★★☆☆☆ |
オール(全ての)テレン(地形)と銘打っている通り、舗装路~悪路といった全てのシチュエーションにおいてオールラウンドにパフォーマンスを発揮。一般的なA/Tタイヤと比べてサイドウォールにも深いトレッドパターンを与えられており、オフロードでも不安のないグリップ力、そして見た目を追求しているも「NITTO」ならではの演出だ。
TEL:03-5780-8184
URL:www.nittotire.co.jp