【第5回】失敗しないキャンピングカー選びの物語

目次

買うなら絶対新車!?未使用車(展示車)?中古車もあり??

世の中、本当に不思議なもので『新車派』と『中古車派』の2タイプに人は分かれる。これは車両に限ったことではないが、人が使った物は嫌だという人もいれば、お値打ちだし中古の方がお得と考える人もいる。
ただ・・・キャンピングカーとなると、ほかの物とはちょっと事情が違う気もする。そもそも他人が寝泊まりしたベッドって・・・、と考える人も少なくないだろう。
そこで新車と中古車、さらに展示未使用車についてそれぞれの視点で比較してみることにした。

新車と中古車 納車はいつされるの?

「キャンピングカー(新車)は納車まで時間がかかる」という話はよく耳にする。一般的なキャンピングカービルダーは、およそ半年~1年の納期が多いようだ。キャンピングカーの場合、お客さまから注文をいただいた後に車両発注、およびキャンピングカー架装を施すことが多く、自動車メーカーからのベース車両の納期に加え、架装時間、さらにはキャンピングカー登録の手続きなど、想像以上に時間を必要とする。特にキャンピングカーはお客さまからの個別の要望に沿う形になるため、作り置きができない。

ビルダーによっては『1年半待ち』なんてことも実際にあるらしい。1年半後となると季節も1周半回り、正直、納車のイメージすらできない。子供たちも大きくなってしまう気すらする。反対に中古車の納期は早い。契約時に新たな追加装備や納車前整備に大きく時間を取られなければ、およそ1~2カ月後が納車の目安となる。契約のタイミングを見定めれば、長期休暇や夏休み、冬休みの旅行に間に合うだろう。中古車は納車の観点から見れば現実的な選択の1つとなる。

ちなみに、展示未使用車については注意が必要だ。本来であれば中古車とあまり変わらず早い納車が可能なはずだが、この『展示』の言葉が厄介で、各店舗の目線から「次の展示車が入荷するまでお渡しできない」なんてこともしばしば発生する。ここはまさに交渉すべきところ。店舗スタッフと予め具体的な納期を確認した方が良いだろう。いずれにしてもキャンピングカーは長期休暇に間に合うかどうかが重要。納期は曖昧にせずしっかり聞くこと。

展示未使用車は高い?安い?魅力的な金額の中古車!

新車にはメーカー希望小売り価格が設定されているので、ここでは新車は割愛し、未知数な展示未使用車(以下、展示車)についてお話したいと思う。実は、展示車は『ある程度高く、ある程度安い』となっていることが多い。魔訶不思議な文章だが、実際にこの表現が正しい。

多くの展示車はキャンピングカーショーや店舗での展示使用を目的としており、お客さまへの説明用として使われている。そのため主要設備はもちろん、追加オプションも多く装備され、時にドレスアップとしてアルミホイールや特別ボディ色なども施されている場合もある。結果的にフル装備に近くなりどうしても高い金額になってしまうのだ。

一方、展示車両としてある程度使用されており、お客さまにご乗車いただくことも度々。小さな傷があったり、走行距離が伸びていたりすることも多い。そのマイナス点が特別値引きとして計上され、安く買うことができるのである。つまり、装備が不要な人にとっては少々高い金額となるが、フル装備を希望する人などにとっては、比較的安く買える車両となるのだ。

中古車は年式、走行距離、程度によって大きく金額が変わってしまうので、一概に安い高いは言い切れないが、べース車両、および架装のモデルが限定仕様などの当時しか手に入らない要素も存在する。これも中古車の魅力の1つであろう。

掘り出し物を手に入れるには?

『掘り出し物』、個人的に大好きな言葉である。ただ、新車や新品の商品にはあまり使用することはない。ということは、新商品には掘り出し物がない、またはその概念がないこととなる。辞書を引いてみると『掘り出し物・・・価値ある珍しい品物を探し当てること。思いがけず、偶然、または安く手に入れた品物』とある。確かに新車にはいずれも合致しない。よほどの限定商品でない限り、金額は定まっており誰でも購入できる。そうなると中古の方が秘めたる価値がある(のかな?)。

以前、友人が掘り出し物を手に入れたと喜んでいたが、数日後に「安物買いの銭失い」と嘆いていた。そう!中古には失敗という可能性が付帯するのだ。つまり、良い中古車をお値打ちに購入するには、ある程度の目利きが必要になるということだ。

このような課題を解決するため、一般の車両には第三者(査定士)による査定書が存在する。車両の基本情報をはじめ、装備の有無や内外装の程度、事故歴など、ネット社会が加速する中で、実際に車両を見ずにWEBの中だけで車両を購入する人も多くなったからだ。

残念ながらキャンピングカーの世界ではこのようなシステムは構築されていない。心配な人は自分の目で確認すること、また、できる限り販売スタッフに情報を聞き出すほかない。それでも不安な人は新車一択となる。

売却時に大きく差が出る査定金額!?

キャンピングカーを購入する際、ほとんどの人は長く乗って楽しもう!と考えている。しかしながら、実際には子供が成長したり、自身の年齢が上がり行動や活動範囲が変わるなど、小型のキャンピングカーに買い替えるなどはよくある。反対に大きなキャブコンなどに買い替えすることも。

そんな時に付随するのが、今まで乗ってきたキャンピングカーの売却である。下取り車両として手放す場合も多くあると思うが、その時に突き付けられるのが車両の査定金額である。

こんなに高く買い取ってくれるの?と思う人もいれば、え、これだけしか値段つかないの?と驚いた人もいるのではないだろうか。これは個人の「感覚の差」ではなく、高く買い取られる車両とあまり金額が伸びない車両と差が開くことが実際に発生するからである。

大きな理由は以下の2つ。

1つ目は車両室内の状態や程度である。キャンピングカーは外装よりも内装の良し悪しが査定時に大きく左右する。数年使用された車両であっても内装がきれいに維持され、家具の修復やベッドの補修など、再販時までにかかる手間が少なければ少ないほど評価が高い。逆に使い古されていれば修繕が必須となり、その費用分が車両価格から差し引かれてしまうのである。

2つ目は人気車種か否かという、車両そのものの価値が高いか低いかである。世の中のすべての物に人気不人気があるように、キャンピングカーの世界でも人気の高いモデルと、残念ながら今一歩のモデルが存在する。これは新車でも中古車でも起こりうる。

ほとんどの人は車両購入時、自身のライフスタイルに合うかどうかを判断し支払い可能とみれば購入の決断をする。自身の車両を手放すことは考えない。つまり、売却時の損得は置き去りになっていることが多い。人気車種は中古車でも高値で売買されていることも多く、購入前に一度中古市場を確認してほしい。

新車と中古車では、それぞれにメリットやデメリットが存在する。購入前には、じっくりと検討することが大事だ。

●中古車は再販される際に、程度の良し悪しによってそのまま店頭に並ぶか工場へ送られるかどちらかとなる。使用感のある車両は家具の修復や交換、また、ベッド生地の張り替えやカーテンの交換など、住宅同様にリフォームされる。最後に清掃と外装の磨きなどが施され、生まれ変わって店頭へ並ぶ。

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