キャンピングカーの快適化プロジェクト3

目次

背高車の不安定感を抑制

エンジンの動力をタイヤに伝える役割や、左右駆動輪の回転差を吸収し旋回を容易にするデファレンシャル機構。だが、背の高い車両では横揺れなどで駆動輪の接地差が生じやすく操縦性を悪化させることも。その解決策にLSDが有効だ。

駆動伝達力を高め走行時の不安定感を抑制

一般的な乗用車などに対し背が高いキャンピングカーでは、高速道路や海岸沿いなど、風が強い場面での走行時に車体の姿勢が乱れ、ヒヤッとした経験をしたオーナーも多いと思う。だが、その要因は大きな横揺れだけのせいとは限らないといえる。

自動車には駆動力をタイヤに伝える役割と共に、カーブの通過時や右左折時に駆動輪の回転数の差を吸収しスムーズに旋回させる働きをする「デファレンシャル」という機構が備わっている。しかし、車体の姿勢が乱れた時には駆動力を安定してかけられず、かえって操安性を低下させる原因を招くこともある。その問題を解決するのが、駆動力の回転差を制御するLSD(リミテッドスリップデフ)だ。

強力な効果を生み出す従来製品の中には作動時の異音や扱い辛さを感じさせるものもあり、ゆったりとした移動空間を第一に考えた車両には不向きな面も少なからずあった。

オーエス技研製では独自の設計を用いることでこの問題を解消。フリーの状態からデフロック域への作用はもちろん、その逆もスムーズに切り替わる特性を得ることに成功した。安全性はもちろん、快適性も重要視されるキャンパーの駆動伝達システムにも、まさにピッタリな性能を備えているのだ。

”快適化お悩みワード”

  1. 強風時の運転が怖い
  2. 凹凸路での修正舵が多い
  3. カーブでふらつく
  4. ドライブ時に疲労が溜まる
  5. 悪路でスリップする

デフケース内に収まるため外部からは見えないLSDというパーツが上の写真のもの。このパーツにより駆動輪の左右の回転差を制御。横風が強い海沿いの道や不整地などでの安定性が飛躍的にアップする。また、運転疲労の軽減にも働きかける。

オーエス技研 カムロード用LSD NEO 価格:20万9000円~
オーエス技研独自の機構によって、左右輪の回転差とトルク差の2つの作用でスムーズにデフロック域に到達する特性を実現!なお、装着はノーマルデフと入れ替える方式なのでプロショップのノウハウが必須となる。シングルおよびダブルタイヤの200系カムロード用のほかに、200系ハイエースやE26系キャラバン適合品も用意している。

ノーマルデファレンシャル
装着した直後から高い安定性を感じました!
アネックスリバティ 染谷薫さん

もともと安定性に優れるダブルタイヤモデルにLSDを装着した染谷さん。「オーエス技研製品は懸念していた作動音もなく快適でありながら、しっかり路面に駆動が伝わっている感覚により高い直進性を得られます。冬季には雪道ドライブを楽しむのですが、滑りやすい路面でも頼りになると思います。」

高強度&高精度は絶対条件

室内装備品の充実で快適性は高まる反面、重量増によって車両側の足元への負担が増している傾向だ。ここでは重量級車両の足回りをえる、縁の下の力持ち”ホイール“に注目しよう。

架装で増えた車重には、高い強度のホイールを!

ホイールをアフター製品に交換する理由には、愛車の足元をスタイリッシュにしたいという要望が一番に挙がると思う。だが、キャンピングカーの場合の製品選びは、少しばかり気を使う必要がある。

例えば、快適な車内生活を送るためにサブバッテリーの追加やソーラーパネル、さらにルームエアコンの装着などを行なうこともあると思う。この場合は快適性のアップと比例し、当然車両重量もアップしている状況だ。

多くのキャンパーベース車の純正ホイールは貨物車用JWL.T規格の耐荷重性能1本あたり955kgをクリアしたものが備わるが装備の追加でキャパシティギリギリの恐れある。万が一の破断防止に備え、ホイールには十分以上の強度が必要だ。

そこで注目がキャンパー専用ホイール「LXCP」シリーズ。この製品では耐荷重「1100kg」という高強度を備え、上記の心配もキッチリと解消してくれる。ハイエースやカムロードのほか、さらに厳しいと言われる欧州規格をクリアしたデュカトベースのキャンパー専用モデルも設定を予定し強度面も安心。

楽しく快適な旅は安全という確かな裏づけがあってこそ。だからこそ、走行性能に直結するホイール選びは慎重に行いたい。

”快適化お悩みワード”

  1. 愛車をスタイリッシュにしたい
  2. アフターホイールの強度が不安
  3. キャンパーに似合うデザインが希望
  4. プライス面も無視できない
  5. 精度の高い製品が欲しい

安心安全な作りで快適ドライブをサポート
フィアット・デュカト用 LXCP 16×6.0J INSET 58mm  価格:51,700円
ハイエースと並び、キャンピングカーの架装ベース車として需要が高まっているフィアット・デュカトの足元をサポートする製品もある。欧州規格である「TUV」相当の基準値よりも厳しい「LXCP試験条件」による試験を実施し開発が進められている。

トヨタ・カムロードベース車用 LXCP W  15×5.0J INSET 102mm  価格:オープン
貨物ベース車両用のホイールに適用される「JWL-T」規格を遥かに超える、厳しい強度試験を実施し安全安心の丈夫さを実現した製品。ホイール交換の選択肢がほとんどないカムロード・リアダブルタイヤモデルのオーナー、お待ち兼ねのモデルといえる!

トヨタ・ハイエース用 LXCP 16×5.0J INSET 30mm
価格:33,000円(ジェットブラック)/ 35,200円(ブラックポリッシュ)
ハイエースベースのキャンピングカーに向けて設計された専用ホイール。耐荷重、衝撃試験、回転曲げ疲労試験、半径方向負荷耐久試験の各試験においてすべて基準値を上回っている一品。ワイルド感溢れる足元を表現するリム部のビードロック風のデザインも魅力的だ。

ロングランのマストアイテム

商用車をべースに架装することが主流のキャンピングカーは純正シートの座り心地がやや快適性に欠ける傾向。長距離を走るクルマだからこそ、それに応じた改良も考えたい。そこでお薦めなのがアフター製品のシートだ。

車高が高いクルマこそ絶大な効果を得られる

長距離を走ることが多い車両では、身体が自由な体勢を取りやすい純正シートの方がラフな体勢で座れるので、疲れも少なくリラックスして乗車できるように思うかもしれない。もちろん家庭内の椅子ならば、その考えも一理ある。だが、自動車では走行中にさまざまな方向からの揺れが、終始乗員を襲っていることを忘れてはならない。

車高が高めなキャンピングカーは車体の姿勢変動も乗用車などに比べて遥かに大きめだ。多くの場合、この揺れに対し無意識のうちに上体を支えようと身体に力が入っていることがあり、これが疲労や腰痛を招く引き金となっているのである。

そこで、確実に身体を支えるアフター製シートに注目だ。モデルに選んだのはシートメーカー「ブリッド」の製品。モータースポーツのイメージが強いブランドだけにハード指向のシートを創造するかもしれないが、レースでは「ドライバーへの負担を極力減らして操縦に集中し、マシン性能をキッチリ引き出す運転環境作り」が求められる。これは一般路での走行時にも不可欠な要素であり、キャンピングカーに是非とも欲しい性能だ。

ちなみに、純正シートはホールド性が低い分、身体を「点」で支えるイメージにもなるが、ブリッド製では身体全体を「面」で支えて人体がシートにかける面圧を均等に分散。シートに身を預けるだけで確実にホールドし疲れを軽減。加えてドライバーと車両の一体感も増すので、路面状態が読みやすく適切な操作が可能となる。結果的に安全運行にも働きかけるというわけだ。

なお、ご紹介の製品はカムロードやハイエース、タウンエースやエルフをはじめとしたさまざまなキャンパーベース車両に装着できるのもポイントだ。

”快適化お悩みワード”

  1. 腰痛に悩まされている
  2. 純正品の座り心地に不満
  3. カーブで身体がふらつく
  4. 長距離移動で疲労が溜まる
  5. ルックスも高めたい
優しく座れるコンォートモデル

BRIDE STREAMSシリーズ 価格:128,700円~
室内の広さが限られたキャブオーバー型車への装着を考慮しショルダー部をスマート形状としたモデル。バックレストは背骨が自然なS字形状になるよう設計。これによりシートにもたれるだけで腰椎にかかる衝撃や振動を優しく受け止めつつ、負担を逃がすのだ。

ベルトホール付きのスタイリッシュモデル

BRIDE EUROシリーズ 価格:128,700円~
ニューエルゴノミクスデザインと内部に採用する高密度ウレタンフォームの組み合わせでドライバーを優しく包み込むようサポート。これにより長距離ドライブの疲れを徹底軽減する。表皮はアクティブな迷彩柄を施した製品のほかベーシックなスウェードモデルもある。

乗降性に優れるスリムモデル

BRIDE DIGOIIILIGHTシリーズ 価格:118,800円~
大型サイドサポートによりシートに体を委ねるだけで確実にホールド。また、着座位置が高いキャブオーバー車に向け、座面のサイドを極力低く設計し乗降性を高めた。なお、ここでご紹介の各製品はヒーター内蔵モデルの選択やオプションでアームレストも追加できる。

スライド機構に多くの自動車メーカーが採用する仏フォルシア社のパーツを採用した専用シートレール。製品にはシリアル番号が明記され、同社シートとの組み合わせで車検も問題なくクリアする。

NTBサクラ:鈴木裕康さん

とにかく運転が楽になりました!
ブリッドでは上記でご紹介の製品のほかにトラック用設計の「ZAOU」シリーズもラインナップしており、ユーザーの鈴木さんはこのモデルを選択。「ペダルを前方に踏み込む乗用車に比べ、キャブオーバー型では踏降ろす姿勢となるんですが、この製品はフラットな座面なので、腿の裏が圧迫されずとても操作が楽!オプションのアームレストも追加したので快適性は抜群です」。

mm単位の調整でポジションを最適化!

同社のシート&レールはヒップポイントを純正シートの値に沿って設計する。交換時の目線変化による違和感を防ぎながらホールド性と着座感を高める。

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