雑誌やYouTubeなどでよく見るツリーラン。奥美濃の高鷲スノーパークのツリーランコースで、パウダーランとツリーランを満喫。ひと筋縄ではいかない、深いパウダーを初体験!



上級テク向けのエリアだがゲレンデ内だから安心?
冬のアウトドア企画は季節柄どうしても雪山が舞台となる。過去に山スキーやバックカントリーなど筆者にとっては地獄のような企画があったが、昨年はスノースクート。ゲレンデ内で平和に行えるスポーツを熱望していた。
ぐっさんに、今年はどうする? と連絡をすると「那須さんはゲレンデ内のスポーツであれば良いんですよね?」。おっ? なんだか優しい言葉だ! 楽しみながらチャレンジできるのが良いな♥
「了解しました。であれば、今回はツリーランにしましょう!」。了解…って、ツリーランって何? よくわからないけど、まぁゲレンデ内で滑るのであれば大丈夫でしょ。ちなみに、筆者は4年前にスノーボードに復帰したのだが、空白期間が約20年。以前は、アルペンスノーボードで、スラロームとかGSをやっていた。基本は圧雪専門だ。
当日になり、ところでどこ滑るの?と聞くと、「ツリーランエリアがオープンしているんです。最近雪降ってるからなかなか深いですよ!」。えっ?「深いところは腰まで積もっています。また、木の密度が狭いので、気をつけてください」。筆者は開けたところでパウダーを滑ったことはあるが、ショートターンなんてしたことがない…。
ぐっさんをチラッと見ると、なんとも言えない笑顔。あ〜これはやられてる気がする。そんなやりとりをしていると、ぐっさんのガイド時代の同僚で山岳ガイドを務めている、SAJスノーボード指導員資格保持者のさやかさんが合流。「ぐっさんは、感覚で滑ってるから、私がきちんとレクチャーしますね〜」とのこと。お〜、ちゃんとした人だ! ちょっと安心して現場突入。基本姿勢などを習うのと同時に撮影のためツリーエリアに侵入すると…。
えっ ?どうしよう! 曲がり方が全くわからない、木が近い、行きたいところに行けない、止まると埋まる…。「那須さ〜ん、頑張ってくださ〜い」うーん、さやかさんもぐっさんと同系の人に思えてきた。のたうちまわっている筆者を脇目に、ぐっさんとさやかさんは華麗に滑っていく。どうしてそんなふうに曲がれるのかを聞くと、ぐっさんは「えっ、曲がれません? なんで?」と不思議がる。俺が知りたいわ! さやかさんは、「まずは不整地の脇パウに何度もつっこんで、曲がり方を覚えてください。ツリーランは上級者の遊びですからね」。う〜ん、今回もやられた気が…。
ツリーランに必要な道具





ツリーランの基本姿勢
姿勢と荷重、抜重がツリーランの基本技術だ!


ツリーランを楽しむ場所は樹木の感覚が狭い林の中で圧雪車が入れないから雪面はかなり緩い。そして天候や降雪状況によっては、全面パウダーの場合もあったりする。そんなシチュエーションではノーズが埋まるのを避けるために、圧雪バーンを滑る時よりも後ろ足に乗ることを心がける。さらに滑走中にはパンピングという下半身だけを使ってリズムをとりながら荷重抜重を繰り返す動きをしてターンのきっかけ作りをする。口で説明するのは簡単だが実際にやってみると、これがまたなかなか難しいのだ。
バンピングとは


本コースに出る前にコース脇の雪壁地形を使って練習
脇パウと斜度のある荒れた雪面で練習 ツリーランは一日にしてならず



今回紹介したものの、初級者がいきなりツリーランにチャレンジすることはおすすめしない。コース脇の脇パウと言われるパウダーを何度も経験し、斜度のある荒れた雪面に対応できる技量が出来てから挑戦するのが一般的だという。荒れた柔らかい雪面で細かなターンが出来なければ、ツリーランで木を避けながら滑ることははっきり言って無理だからだ。チャレンジと無謀は全く違う。事前に経験豊富なエキスパートにレクチャーをしてもらい「もういけるよ!」と言われたらチャレンジしよう。『後悔先に立たず』ですぞ!
スタックした時の対処法【4種類】

その1 板の上で立ってみる編



まずは基本となるレスキュー術から。雪に埋まってしまった状態から、板の上に体重を預けて、そのまま立ち上がる方法を学ぶ。これは比較的浅い雪で、手をついても埋まっていかない状況で使えるテクだ。実はこのレスキュー術を使うには若干の条件がある。それは体の柔らかさが必要であることだ。筆者は柔らかさ以前にお腹がつかえてどうしても板の上に乗りことが出来なかった。当然のようにぐっさんとさやかさんに爆笑されたのは言うまでもない。
その2 でんぐり返し編



お次は板の上で立ってみる編。板の上に立つことを目的にバランスをとりながら動かなければいけない。でんぐり返し編は上半身で勢いがつけられ、その先に安全なスペースがあり、さらに進行方向であれば意外と簡単に行える。板を飛び越えるように勢いをつけ、しっかりと顎を引いた状態ででんぐり返しを行い、その勢いで立ち上がりながら滑っていのだ。雪まみれになることは避けられないが、かなりの確率で復旧可能な対処方法なのである。
その3 板おっ立て編



埋まっている状態で板を地面に対して垂直にし、テールを雪に差し込む。板のテール部分を足がかりにして勢いをつけ、そのまま板の上に乗るイメージで起き上がるのだ。このレスキュー方法はそのまま下方向に板が向くので、起きると同時に板をコントロールすることが要求される必。ちょっと忙しいが、かなりの深さの場所でも使用できるテクニックなので、必ず覚えておこう。ただし、表面だけがパウダーで下が固い場合には使えない。
その4 諦めて板で登る編



今回筆者が吹き溜まりに落ちた時に行ったテクニック。木の密集している場所にはツリースポットと呼ばれる吹き溜まりがある。かなり柔らかい雪のため、ここに落ちると底なしのように深く沈んでしまう。そんな時は諦めて板を外し、うつ伏せ状態になって板で体を支えつつ、掘り進めながら膝で歩く。その際は一歩一歩踏み固めながら前進する。ダイレクトに手や足をつくと、埋まってしまい、身動きが取れなくなるからだ。最終奥義的な歩行方法である。



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