手軽に運べる折りたたみ式ソーラーパネルは設置方法により充電効率が違う!?
ポータブル電源の充電用として注目を浴びている折り畳み式ソーラーパネル。
最近は金属枠型と同等の出力100W以上の製品まであるが、その実力や使い勝手、効率的な設置法は?
金属枠型パネルと同出力でも折り畳めて小型で軽量なの?
生徒 先生この前、防災関連の展示会に行ったら、リチウムイオンバッテリーのポータブル電源の種類がたくさんあった。
koniken先生 だろうね。停電になったらスマホの充電もできないから、家庭用の非常電源として人気なんだよ。
生徒 以前実験した製品もあったけど、あれは家庭用電源から充電すると、短時間で充電できましたよね。
koniken先生 わずか1時間で満充電したね。
生徒 あの製品はキャンピングカーで使ってますって言ったら、それなら折り畳み式ソーラーパネルがあると便利って言われて。
koniken先生 どう答えた?
生徒 キャンピングカーにソーラーパネルが付いてますって答えたら、それなら折り畳み式も車内に積んでおくと便利だって。持たせてくれたら非常に軽いの。出力を聞いたら150W。
koniken先生 キミのは確か120Wだったよね。
生徒 そうです。それを2個並列で載せてます。でも載せる時は重かったなぁ〜。
koniken先生 そりゃ一般的な金属枠型は重いよ。それでも以前より軽くなったよ。
生徒 強度や防水性は大丈夫かって聞いたら、完全防水で衝撃にも強いフィルムで表面を覆ってあるって答えたの。しかも、表面のフィルムは透過率がいいから変換効率も良いって。
koniken先生 最近は技術が進んでるからね。
生徒 それにしても軽過ぎるし、出力端子はDC12V以外にUSB端子もあるんですよ。
koniken先生 最近の製品は優れていそうだね。
生徒 どうして軽いんですか?
koniken先生 ソーラーパネルの素子は薄くて軽く衝撃に弱いんだ。そこで一般的な金属枠型は、表面を特殊強化ガラスで衝撃から保護して、裏面は化学樹脂で保護。防水使用の金属枠で覆うから重くなるんだ。
生徒 ってことは、折り畳み式は衝撃に弱い?
koniken先生 硬い場所に置いて、上から石を落とすと破損する可能性はあるね。逆に、吊るせば衝撃でパネルが動くから破損しにくいかも知れないね。
生徒 じゃあ折り畳み式パネルは固定設置には向かない!?
koniken先生 どこにでも持ち運ぶから折り畳めるんだ。
生徒 効率は悪いのかなぁ〜!?
koniken先生 じゃあ実験してみるか。
パネル角度を変えての設置はルーフ固定より効率的に充電
生徒 凄いパネルを入手したって、何ですか?
koniken先生 このサイズ、フロントガラスのサイズにピッタリだろう。これをフロントガラスの目隠しにしてバッテリー充電しようと思ってね。
生徒 でも、フロントガラスに置いとくと盗まれそうですよ。
koniken先生 両側2ヶ所ずつあるハトメにヒモを通し、ドア内側から固定するんだ。
生徒 さすが先生。そこまで考えたとは。
koniken先生 しかも、120Wタイプでネット通販で2万円程と安かった。では、すぐにセッティングして。クルマを真南にして午前10時から午後3時までの充電量を計る。また、明日の同時刻に南向きに吊り下げて計る。
生徒 吊り下げって?
koniken先生 キャンプ中にサイドオーニングから下げて充電することを想定するんだ。
生徒 それって良くやってます。
koniken先生 だろ。まずは、パネルの出力ラインをMPPT方式のソーラーチャージャーに繋いで、100Ahのリチウムイオンバッテリーに受電するんだ。配線は任せた。
生徒 配線終了しました。
koniken先生 さあ、10時になったからスタートだ。キミはバッテリー重圧と電流を1時間ごとにチェック。
生徒 分かりました。先生は?
koniken先生 日差しの強さの目安になる開放電圧と積算量を計る。
実験終了
koniken先生 いやぁ、今日は1日快晴だったから開放電圧が21V台で安定したね。正午の数値はどうだった。
生徒 13.1Vの6.5Aです。
koniken先生 となると85.15Wか。120Wパネルだから効率は約71%。悪くないなぁ。5時間積算も25Ahと良好。
2日目・南向き吊り下げ
koniken先生 今日も解放電圧が21V台で安定してたね。正午のバッテリー電圧と電流は。
生徒 13.0Vで5.6Aです。
koniken先生 72.80Wで効率は約61%。積算も23Ahだから昨日よりは劣るが悪くない。
生徒 どこがですか?
koniken先生 金属枠型のハードタイプでも、ルーフ固定で効率が60%前後が普通。フロント目隠しは効率的だよ。
生徒 でも配線が大変でした。
koniken先生 チャージャーとの接続をMC4にして、差し替え式で使えば楽かもね。
折り畳み式ソーラーパネルを使って実験!
総重量約4kgの軽くてコンパクトに持ち運べる折り畳み式パネルを使って100Ahのリチウムイオンバッテリーに充電してみる。
クルマのフロントガラスを覆うサイズの折り畳み式ソーラーパネルで、フロント目隠し設置と縦吊り下げで充電効率の差を比較。
どちらも真南向きに設置し、時間ごとの積算充電量も計測。
ソーラー/リチウムバッテリー充電実験
・1日目 11月8日 快晴 南向きパネル斜め置き
・実験開始前:開放電圧 21.11V 12.1V
10時 | 11時 | 12時 | 13時 | 14時 | 15時 | |
開放電圧 | 21.11V | 21.37V | 21.22V | 21.65V | 21.50V | 21.36V |
バッテリー電圧 | 12.1V | 13.0V | 13.1V | 13.1V | 13.2V | 13.2V |
電流 | 6.6A | 6.6A | 6.5A | 5.1A | 4.6A | 3.1A |
積算 | 0Ah | 6.65Ah | 12.87Ah | 18.28Ah | 21.48Ah | 25.67Ah |
・2日目 11月9日 晴 南向きパネル縦置き
・実験開始前:開放電圧 21.50V 21.1V
10時 | 11時 | 12時 | 13時 | 14時 | 15時 | |
開放電圧 | 21.50V | 21.65V | 21.20V | 21.58V | 21.83V | 21.84V |
バッテリー電圧 | 12.1V | 12.8V | 13.0V | 13.0V | 13.1V | 13.2V |
電流 | 6.0A | 5.9A | 5.6A | 4.8A | 4.0A | 2.5A |
積算 | 0Ah | 4.09Ah | 9.80Ah | 15.60h | 19.80Ah | 23.22Ah |