ジムニーでアウトドアスポーツ!!第50回 チェーンソーカービング編

ジムニーでアウトドアスポーツ!!第50回 チェーンソーカービング編

まさかチェーンソーアーティスト!?
驚きのこっちーさんだ!

よこっちクラフトさんと、YouTubeチャンネルの「こーちーちゃんねる」は知っていたが、まさかのこっちーさんにこんな一面が!

日本トップクラスの一人
チェーンソーアーティスト

 今回のアウトドアアクティビティの打ち合わせのため、ぐっさんに電話。「今回どうする?」と聞くと、「実はやりたいことがあるんです」と返ってきた。何かと思えば、プラスの前号でクリエイターとして登場した“よこっちさん”の旦那さん、こっちーさんのこと。昔から知っていたものの、まさかチェーンソーアーティストだとは知らなかったという。
 先日、JAFEAのイベント用にスウェーデントーチを作ってもらったところ、これが想像以上にすごい出来栄え。「これってどうやって作るんですか?」と聞いたら、「すぐできるよ。なんならウチ、体験とかもやってるよ!」と言われたらしい。
「それなら話を進めてみよう」ということで、チェーンソーアート体験が今回の企画に決定した。
 こっちーさんに色々聞くと、全国各地から実演ショーの依頼が来るほどの腕前らしい。内心「それプロやん!」と思ったが、本人いわく「それだけで飯食ってるわけじゃないからプロとは言えないなぁ」とあくまで謙遜。各種大会で優勝を重ねる実力者なのに、とにかく謙虚だ。
 当日はまず作品を見せてもらい、続けて道具の扱いと安全講習。「ぐっさんは実践派だよね? やりながら教えるわ!」と、こっちーさんらしいストロングスタイルのレッスンが始まった。しかしここでもぐっさんの吸収の速さは健在。しばらくすると、こっちーさんが「ぐっさん、飲み込み早いわ〜。本当に初めて?」と驚きの声を上げていた。
 今回のモチーフは筆者の要望で「ジムニーの置き物」。こっちーさんは「うーん、ちょっと難しいよ…」と言っていたが、最後はしっかり“ジムニーと分かる”レベルで完成。終盤はさすがに疲れが見えたものの、ぐっさんは終始「楽しい! 面白い!」を連発。どうやら本当にハマったようだ。

木工房ムークス

恐るべしこっちーさんの実力
これらを全てチェーンソーで?

 講習開始前に、今までの作品を見せてもらう。これら全て価格がついており、販売もしているのだが、まずその前に、どうやったらこんな精巧にチェーンソーで作れるのかが理解できない。動物などに文字を組み合わせ、立体的に作るとか、細かく見れば見るほど驚くばかり。ぐっさんも初めて見て度肝を抜かれていた。事もなげに「このぐらいできるよ!」と言ってのけるこっちーさんにぐっさんちょっとビビり気味? その様子に筆者は実はワクワク。

チェーンソーカービングに ★ 必 要 な 装備&道具 ★

チェーンソーチャップスと言われる腰下の防護服。引っかかった際に怪我をするのは下半身なのだ。
チェーンソーチャップスと言われる腰下の防護服。引っかかった際に怪我をするのは下半身なのだ。
ちょっとゴツめの滑り止め加工が施されたグローブ。これも歯が当たっても削れにくい素材だ。
ちょっとゴツめの滑り止め加工が施されたグローブ。これも歯が当たっても削れにくい素材だ。
削れた破片から頭、眼、耳を守るイヤーマフ付きのヘルメット。耳を守るのは音がすごいからだ。
削れた破片から頭、眼、耳を守るイヤーマフ付きのヘルメット。耳を守るのは音がすごいからだ。
トリガーを人差し指で引くことで、アクセルオンとなり、回転速度が上昇する。
トリガーを人差し指で引くことで、アクセルオンとなり、回転速度が上昇する。
グリップ部分にあるスイッチを手のひらで抑えてしっかりと握り込む。
グリップ部分にあるスイッチを手のひらで抑えてしっかりと握り込む。
このレバーを下げることで、イグニッションオン状態となる。この状態で、ワイヤーをひく。
このレバーを下げることで、イグニッションオン状態となる。この状態で、ワイヤーをひく。
まず安全装置のロックを解除し、てから使える条件にする。
まず安全装置のロックを解除し、てから使える条件にする。
チェーンソーカービングで使う歯は、先端が通常のものより細くなっている。かなり特殊なのだ。
チェーンソーカービングで使う歯は、先端が通常のものより細くなっている。かなり特殊なのだ。

【基本編】
まずは簡単なスエーデントーチに挑戦!!

費用なサイズの木をチョイスして、まず丸太を吟味して切り出していく。
1.費用なサイズの木をチョイスして、まず丸太を吟味して切り出していく。
スウェーデントーチにするために、どこに切り込みを入れるか?まず罫書く。
2.スウェーデントーチにするために、どこに切り込みを入れるか?まず罫書く。
罫書に合わせて全部の切り込みが同じ深さになるように切り込んでいく。
3.罫書に合わせて全部の切り込みが同じ深さになるように切り込んでいく。
この状態になれば完成。所要時間は、ものの10分しかかかっていない。
4.この状態になれば完成。所要時間は、ものの10分しかかかっていない。

【応用編】
チェーンソーカービングに必須なテクニック

チェーンソカービングならではのテク
歯の形状を理解できれば可能なのだ

 今回製作していくモチーフは、筆者の依頼でなんとジムニー。普段体験などではフクロウや、熊などを作るらしいのだが、気軽に言ったつもりが、どうやら難易度爆上がりなのだそう。直線基調になるので、簡単になるのかな?と思っていたのだが、逆にディティールを表現するのが難しく、細かなラインが必要なので難しくなる。様々なテクニックを使用し、どんどん製作していく。最初、ただの丸い木だったものが、どんどんジムニーの形になっていく。途中からこっちーさんがノリノリになって、ピラーやドアノブやスペアタイヤなども細かなラインを入れ表現していく。それらを忠実にぐっさんはこなしていく。なんで初めてでここまでできるの?こっちーさんも驚いていて、ついつい調子に乗ってロゴまで入れちゃいました。

歯の先端が細いから、気に対してまっすぐ差し込むことが可能。このテクニックはkなり重要。
歯の先端が細いから、気に対してまっすぐ差し込むことが可能。このテクニックはkなり重要。
常に、罫書を行なったラインを意識し、切り込む順番を間違えないようにする。順番を間違えると「あっ無くなった」と言う事になる。
常に、罫書を行なったラインを意識し、切り込む順番を間違えないようにする。順番を間違えると「あっ無くなった」と言う事になる。
角度を浅く、木の表面を撫でるように上下することで、木の表面をフラットに削り込むことができる。
角度を浅く、木の表面を撫でるように上下することで、木の表面をフラットに削り込むことができる。
歯の形状が、先端が細くなっているので、しっかりと抑えつつ、均一な動きでディティールを表現する線を削る。
歯の形状が、先端が細くなっているので、しっかりと抑えつつ、均一な動きでディティールを表現する線を削る。
文字を切り込んで、スプレーを吹いて色付け。その後表面を削ることで、文字だけを浮かび上がらせることができる。
文字を切り込んで、スプレーを吹いて色付け。その後表面を削ることで、文字だけを浮かび上がらせることができる。
歯の上面を使用して切り込む。この切り方通常のチェーンソーではかなり危険。細い歯のチェーンソーならではの切り方だ。
歯の上面を使用して切り込む。この切り方通常のチェーンソーではかなり危険。細い歯のチェーンソーならではの切り方だ。

チェーンソーカービングで〝ジムニー〟を作ってみました!!

軽い気持ちでオーダーしたが、難易度高めのジムニーを製作

 今回の作業をきちんと最初から解説を行う。まず大切なのは作業しやすい環境作り。作業台の高さや、材料の高さをきちんと設定して作業を開始しないとずっと中腰での作業となり、かなりキツイ。さらに、作業台の上に置くだけでは力が入れられないので、様々なテクニックが使えない。材料の固定も重要なのだ。今回、筆者の思いつきでジムニーの置き物を作る事になってしまった。木の塊に直線的な立体構造物を作ると言うのは、全体のディテールがかなり重要。線が湾曲していたり、四角が崩れていると違和感になってしまう。軽い気持ちで言ったのだが、なんだか難易度高めの作業になってしまったのだ。

① ドライバー固定

作業台に材料を長めのビスで固定する。この時、絶対削らない場所にビスを打たないとチェーンソーの歯が破損してしまう。
作業台に材料を長めのビスで固定する。この時、絶対削らない場所にビスを打たないとチェーンソーの歯が破損してしまう。

② 罫書き

材料を固定した状態で、上からと正面と横から見た状態での罫書線を入れていく。この時にどういう順番で歯を入れていくのかも決める。
材料を固定した状態で、上からと正面と横から見た状態での罫書線を入れていく。この時にどういう順番で歯を入れていくのかも決める。

③ 荒削り

罫書を行なったラインに従って、大まかなラインで削っていく。
罫書を行なったラインに従って、大まかなラインで削っていく。
大きく削る場所を最初に切り進めていく。切るたびに罫書くのがポイント。
大きく削る場所を最初に切り進めていく。切るたびに罫書くのがポイント。
ジムニーの場合、可能な限りまっすぐと直角を意識して削っていく。
ジムニーの場合、可能な限りまっすぐと直角を意識して削っていく。
台となる部分の境界をしっかりと作り込むことで、置き物感が明確になる。
台となる部分の境界をしっかりと作り込むことで、置き物感が明確になる。

④ ディテール製作

大まかな削りを行なったあと、細かな部分を作り込んでいく。この作業が全体の雰囲気を決めるのだ。
大まかな削りを行なったあと、細かな部分を作り込んでいく。この作業が全体の雰囲気を決めるのだ。
スペアタイヤを装着しているジムニーをモデルにしているので、幅に対してのタイヤ位置を決めていく。
スペアタイヤを装着しているジムニーをモデルにしているので、幅に対してのタイヤ位置を決めていく。
スペアタイヤを作る際にはタイヤ下部になる部分を繰り抜かなければならない。これがなかなか難しい。
スペアタイヤを作る際にはタイヤ下部になる部分を繰り抜かなければならない。これがなかなか難しい。
本体に装着されているタイヤを表現するために、フェンダーアーチとタイヤ部分を細かく削り込む必要がある。
本体に装着されているタイヤを表現するために、フェンダーアーチとタイヤ部分を細かく削り込む必要がある。

⑤ 細かな部分製作

ざっくりと全体を削り込んだあとは、ピラー、窓、フロントウィンド、ドア、などを見てわかるようにラインを入れていく。
ざっくりと全体を削り込んだあとは、ピラー、窓、フロントウィンド、ドア、などを見てわかるようにラインを入れていく。
必ずこの作業も罫書を行なって、バランスが大丈夫か確認しながら行う。この作業で見た目がほぼ決まるのだ。
必ずこの作業も罫書を行なって、バランスが大丈夫か確認しながら行う。この作業で見た目がほぼ決まるのだ。
フロント側が特に細かい。今回なんとヘッドライトだけでなく、グリルの縦ラインまで再現したのだ。
フロント側が特に細かい。今回なんとヘッドライトだけでなく、グリルの縦ラインまで再現したのだ。
フロントとリアのタイヤの隙間を立体感を出すために、深く削り込む。貫通させると台との結合が弱くなる。
フロントとリアのタイヤの隙間を立体感を出すために、深く削り込む。貫通させると台との結合が弱くなる。
初めてにしては、かなり上手くいった。こっちーさんもかなり驚いていた。TANIGUCHIと刻み、店に置いてあるのだ。
初めてにしては、かなり上手くいった。こっちーさんもかなり驚いていた。TANIGUCHIと刻み、店に置いてあるのだ。
今回参加したジムニーはコレだ!!

旅で疲れないセッティング
快適な乗り心地がgood!

 今回のアクティビティは、参加する側に汚れてもいい服装というだけで、特殊なツールなどの持ち込みはない。こっちーさんのところに行くだけのツーリングだ。タニグチJB74は、ロングドライブで疲れないサスペンションが秀逸で、長旅に最適なセッティングと言えるのだ。

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