朝と夜に繰り広げられるクルマ好きの交流会
photos Shunichi Kasai
text Remi Kohara
アメリカで行われるモーニングクルーズとクルーズナイト。どちらも、共通のクルマ趣味を持つ人同士が集まり、交流する場をそう読んでいます。クルーズといっても一緒につるんで走ることはなく、告知された日時&場所に一堂に会すというもの。私が訪米した時、良く行くモーニングクルーズは「Donut Derelicts(ドーナッツ・デリクト)」と呼ばれる交流会です。土曜日の朝、ハンティントンビーチのモール駐車場で行われています。
そのはじまりは1984年。グラフィックアーティストでホットロッダーだったRick Finnがホットロッド仲間とドーナッツショップで会うようになり、彼らの声掛けによってクルマ好きが自然と集まっていきました。数年後、Rickはドーナツショップのオーナーとビジネスパートナーを結び、集会場の一部に自分のブースを設けます。ドーナツの販売と同時に車両の絵を描く仕事を受け付けていたこともありました。また、ドーナッツショップ内にはRickの作品が飾られていたそうです。Rickは亡くなってしまいましが、主催者(責任を問われる人)がいないまま現在でも閉鎖されることなく開催されています。もっとも、モールの開店前には参加者は退散してしまうので、モール側も当初から事態を静観しているようです。そうした背景から、この交流会はホットロッドやストリートロッド、カスタム好きが実に多い。南カリフォルニアでは息の長いミートアップとして知られています。
今回は今年初めに訪れたドーナッツ・デリクトの様子をレポート。また別の場所で行われていたナイトクルーズで見かけた車両も併せて紹介します。こうした交流の場は誰でも無料で参加できます。もちろん車両を見に行くだけでもオッケー。旅行でカリフォルニへ訪れた際は、モーニングクルーズやクルーズナイトなどぜひ足を運んでみてください。
SHUNICHI KASAI
DEUCE FACTORY 045-333-4877
ストリートロッドを中心とするプロショップ、デュースファクトリー代表。1980年代後半より流行したミニトラック・ブームの火付け役であり、その後も日本の業界全体を牽引してきた。度々訪れるアメリカでは常にアンテナを張り本場の新しい情報をキャッチ、日本のカスタム界の発展に貢献している。
流行のスラムド・オールドトラック
希少な’64年インターナショナル・ダブルキャブのパティーナボディながら、トレンドを意識した足元&着地スタイルを誇示する一台。こうしたテイストは特に若者に人気のようだ。
ベッドから覗く徹底したシャシーワーク、エンジン&エンジンディテールなど見どころ満載。
パティーナルックのペイントを施し、中味は抜かりなく手を施したオールドスクールな一台。
LSエンジンを搭載したエンジンディテールもお見事。
V8エンジン搭載をアピールするスクープは必須アイテム。