キャンピングカーの快適化プロジェクト【雪道での快適化】

目次

こんな「装備」があると雪道も怖くない

準備万端整えて
いざ冬のクルマ旅に出かけよう!

春夏秋冬。日本には四季がある。夏には夏の景色があり冬には冬でなければ見られない景色もある。「寒くて危険だから、冬はどこにも行かない」はNGだ。準備を整えて冬にしか見られない景色を見に行こう!

車外の装備:想定外の事態にも対処できるよう準備を整える

雪道では今は快適な走行ができていたとしても、10分後、あるいは1時間後、何が起こるかを完璧に予想することは不可能。だから多くのことを想定して準備することがなにより大切だ。

雪道を走ってクルマ旅に出る時に、必要になるアイテムの筆頭はスタッドレスタイヤだが、それについては次ページに譲るとして、ここではそれ以外の装備について解説しよう。

スタッドレスタイヤでも走行できない深い雪道の場合はタイヤチェーンがあると安心。クルマがスタックした場合に雪をかき出すスコップや脱出用のサンドラダーも用意しておくと、安心感はさらに増す。

雪の中にクルマを止める場合は、外の冷気をなるべく車内に入らないように外用のシェードもあるといい。フロントガラスの外側に置いておけば、車内の保温ができる上に、運転席の結露の防止にもなる。 

さらに、チェーンの取り付けなど、車外での作業が必要になる場合に備えて、手袋や長靴などもあると便利だ。

雪道では想定外の事態が起こりかねないので、あらゆる準備をしておこう。 

外用シェード

外用シェードもあると便利だ。運転席部分の結露問題が解決する。

長手袋

タイヤチェーン装着時の、二の腕まで覆う長手袋。服の汚れを気にせず使える。

サンドラダー

クルマがスタックした時にラダーがあると心強い。雪だけでなくマルチに使える。

ルーフに積もった雪はそのままでも平気

安全運転義務違反の可能性アリ

意外と知られていないことですが、車両の天井に雪を載せたまま走行すると「安全義務違反」で検挙される可能性がある。
キャンピングカーの天井は普通車と異なり面積が広く車高が高い車両も多く、雪下ろしが大変。天井だけでなくサイドオーニングやリアカメラなどの積雪・ツララも除去してから出発することが望ましい。安全を確保するのと同時に、 装備が雪の重みでボディが痛むのを防げる。 

また、車内からは、真冬で積雪があってもベンチレーターの蓋を少し開けておくことをおすすめ。ふとベンチレーターを使いたいと思っても、積雪した場合は雪の重みで蓋が開かないことがある。そして、そのことに気づかず力づくで開けようとしてベンチレーターを故障させてしまう原因にもなる。 

オーニングにはツララができている。バックモニタ ーなども明瞭に見えるよう にしておく。

スタッドレス

雪道走行での必須アイテム。これがないと雪道は始まらない。

スコップ

降雪地帯を走る場合は、何かと重宝するスコップ。1本は常備しておきたいアイテム。

タイヤチェーン

金属チェーンと樹脂チェーンの両方がある。乗り心地に差はなし。

車内の装備:冬でも「キャンピングカーの中は半袖」が基本

室温と湿度を操ることができれば、冬のキャンピングカーは快適になる。それにはFFヒーターと加湿器が必須にる。それ以外にもあると便利なアイテムはたくさん存在する。そう、装備の数と快適さは比例するのだ。

「キャンピングカーの中では半袖でも大丈夫」。車内の装備を充実させるとこれが「普通」になる。

冬のクルマ旅にあると快適になるアイテムの筆頭はFFヒーターだ。エンジンを止めても専用経路でガソリンを燃焼させて室内を温めてくれる。これがあるとないとでは、天と地ほどの差が生じると言っても過言ではないだろう。

FFヒーターで温められた室内は乾燥気味になるので、加湿器も欲しいところ。風邪防止にもひと役買う装備だ。

さらに、ベンチレーターもあるといい。暖かな室内で同じ空気が滞留することになるので、定期的に換気することも、快適に過ごす秘訣だ。

それ以外にも、断熱シートや遮光カーテン、電気毛布など、室内での活動を快適にするアイテムはたくさんある。自分にとって何があれば快適になれるかを考えて準備をしよう。 

断熱シート

バンクベッドの床部分には断熱シートを貼ると良い。運転席からの冷気に備える。

FFヒーター

オフシーズンでも月イチで稼動。 いざという時に快適に使える準備を怠らないように。

遮光カーテン

カーテンの有無で窓からの冷気に差が出る。

電気毛布

厚手のシーツを重ねて低温火傷防止も忘れないように。

ベンチレーター

真冬も積雪予想時には少し口を開けておくのがベスト。

加湿器

乾燥・風邪防止に役立つ。濡れタオルや洗濯物がない場合にも重宝。

他にもこんな装備があると非常に便利

寒さに負けず、せっかくの冬のクルマ旅を我慢せずに楽しむため、こんなアイテムも揃えておけば、ふらっと立ち寄った先でも安心して自由に旅ができます。車両同様、人も足元から安全を確保するのがポイントだ。 

ブランケット

フリース素材のブランケットは裏表ある物を導入。手軽に使えるサイズが良い。

厚手の靴下

冷え防止の厚手の靴下は、旅先でも大活躍。車内ではダウンスリッパも有効。

着脱の滑り止め

脱着式滑り止めがあると、観光だけでなくちょっと車外に出る時も安心できる。

室内を仕切るカーテン

運転席とダイネットの間のカーテン。閉めれば保温 、開ければ結露防止になる。

タイヤを制すモノが冬を制す

クルマと路面は4本のタイヤを通してのみ接地。 クルマを構成する数多くのパーツの中でもタイヤはもっとも重要な役割を果たしている。「タイヤを制すモノが冬を制す」と言う言葉は極めて真実を表している言葉なのだ!

雪道では備えあれば憂なしを実践することで危険を回避

雪道を走るにはスタッドレスタイヤの装着が必須。道路交通法第 条によれば、沖縄県以外の都道府県では、たとえ非降雪地域でも積雪・凍結した路面をノーマルタイヤの自動車で走行することは法令違違反となる。 法律で決まっていなくとも、旅先で突然積雪・凍結にみまわれる可能性のある冬のクルマ旅をするならなおさら。

スタッドレスタイヤは普通のタイヤと比べて表面の溝が深いため、路面との設置面積を少なくしてグリップ力を高めることでスリップが防げる。

スタッドレスタイヤだけでも雪道を安全に走れるが、路面の状況によってはタイヤチェーンも必要になってくる。雪や凍結によるリスクが高い場合にはタイヤ チェーンを装着していないと、安全は担保できない。愛車の中に常備して、いつでも装着できるようにする必要がある。

タイヤチェーンの装着をする際、雪の中で作業をする可能性も考えられる。気温が低く作業がしにくいため、軍手などの装備も欠かせない。また、場合によっては除雪のためのスコップが必要になることも。雪の中で作業をしても大丈夫なようにスノーブーツやカイロなどの準備があるとベター。

さらに言えば、雪道をクルマで走る際には立ち往生するリスクも考えられる。

長時間身動きが取れなくなる可能性も否定出来ないため、車内で快適に過ごせるようヒータ ーで車内を温めるためのガソリンを十分に用意する必要がある。その他にも、食べ物や飲み物などを車内に準備しておくと慌てなくて済む。

雪道を進む場合は「備えあれば憂なし」を実践することが肝心だ。

雪道を走る時に欠かせない装備

1.スタッドレスタイヤを履く 
雪道の走行ではスタッドレスタイヤを必ず使用することが大前提。スタッドレスタイヤは普通のタイヤと比べて表面の溝が深いため、路面との設置面積を少なくしてグリップ力を高めることでスリップが防げる。 

2.タイヤチェーンを巻く 
雪や凍結によるリスクが高い場合にはタイヤチェーンが必要になる。雪が積もっておらず、路面の凍結がない場合はスタッドレスタイヤで十分対応できるが、路面状態が悪いと判断した場合はタイヤチェーンを装着しよう。 

3.雪の中で作業する準備を怠らない 
タイヤチェーンの装着をする際、雪の中で作業をする可能性もある。気温が低く作業がしにくいため軍手などの装備が必要で、場合によっては除雪のためのスコップも必要。 また、スノーブーツやカイロなどの準備があるといい。 

スタッドレスタイヤの選び方

冬のクルマ旅に欠かせないのがスタッドレスタイヤ。何の準備もなく雪道を走ることは、この上なく危険を伴う。本格的な冬が来るまでにスタッドレスタイヤを用意しておこう!

1.正しいサイズを選ぶ
スタッドレスタイヤを選ぶ時は、自車に適合するタイヤサイズであることが大前提。無闇にサイズ変更を行うと、安全な走行に支障をきたすこともあるので要注意。また、環境・用途に合わせることが大切。もちろん、価格とのバランスを考えることもポイントだ。

2.製造年の新しいものを選ぶ
ゴムでできているタイヤは、使っていくとも経年劣化していく。これはスタッドレスタイヤでも同じこと。一般的にスタッドレスタイヤの寿命は4年程度とも言われている。従って製造されてから新しければ新しいほど良いという理屈になる。購入する前は製造年についても注意を払おう。 

3.氷上性能にも注意する
路上に積もった雪が溶け、夜間に気温が下がることで凍結した路面をアイスバーンという。このような凍結路面が多い地域で使用する場合には「氷上性能」にも注意を払う。「雪上性能」と「氷上性能」のバランスに優れた商品がベストだろう。 

ハイエースやカムロードが装着しているタイヤサイズは、乗用車とは異なる特殊なサイズ。それでも各メーカーにはちゃんとそのサイズが用意されている。

ミシュラン
アジリスX-ICE

氷上でも雪上でもしっかり止まる「トリプル・エフェクト・ブロック」を採用し、乗用車並みの氷上性能と商用車の耐久性を併せ持つ。

グッドイヤー
アイスナビSUV

氷上&雪上で重いボディを支える性能に加えて、市街地での快適さに必要なドライ路面での操縦安定性を確保。路面を選ばず、快適かつ安心感ある走りを楽しめる。

ダンロップ
ウィンターマックス SJ8+

上位商品の「WM03」と同様のナノ凹凸ゴムを採用し、タイヤ表面の突起が氷上の水を排除して素早く路面に密着 。安定した走りを約束。

ヨコハマ
アイスガード
SUV GO75

進化した「スーパー汲水ゴム」と新設計のトレッドパターンを採用して、氷上 性能が格段に向上。しかも転がり抵抗の低減により、燃費向上にも貢献。

トーヨー
オブザーブGSi-6

トレッド面のセンターに設置されたジグザグの溝が効果的に除水とエッジ力を発揮。氷雪路からウェット・ドライ路面で安定感のある操縦性を確保。

ブリヂストン
ブリザックLV10

新開発のトレッドパターンにより接地面積とブロック剛性が向上。 変形を抑えることで、摩耗を抑制。 その上、低温で柔らかさを保つことで、氷雪上でのグリップを発揮。

雪上でのチェーン装着する時に備えて、 手袋や長靴などの装備があると楽になる。

チェーン装着時に必要なアイテム一式を1カ所にまとめておくことで、急遽装着したい時も手間取らない!

チェーン装着道具一式。金属チェーンは麻袋、樹脂チェーンはケースで保存。軽いが邪魔になるのがたまにキズ。

雪道の走り方

  • 雪予報が出たら早めに準備する
  • 目的地と経由地の天気予報に注意する
  • 時間的に余裕を持った行動を心がける

時間に余裕を持って行動が雪道での安全運転の第一歩

雪道での安全な走り方は、雪道を走るのに必要な装備を装着した上で「時間に余裕を持って行 動する」。これに尽きる。

時間に余裕がないと、どうしてもアクセルを強く踏みがちになる。アクセルを踏めば当然スピードが増す。スピードが増すと危険性が増すことは明らかで、それが雪道では、その危険性が倍増する。

雪道ではアスファルトの上を走っているのと違い、スリップやスタックのリスクが増し、普段の運転よりもブレーキの制動距離が増える。いつも以上に車間距離を取 らないと急ブレーキによるスリップからの追突事故の危険もある。

また、視界の確保も重要な要素。雪道を走行すると日光の照り返しで眩しくなったり、吹雪で視界が遮られたりなど、視界不良による事故のリスクが増す。そのため、サングラスを着用して視界を確保したり、周囲が見渡せ ないときは走らずに待機する勇気も必要。

キャンピングカーは普通車よりも重量があるため、急な運転によって思わぬ事故を引き起こす可能性があることを肝に命じておこう。

雪の塊はハンドル操作に悪影響

タイヤで巻き上げた雪がフェンダー内部に付着し、ハンドルの操作時にタイヤと雪が接触。操縦性の低下を招くことがある。カムロードや一部の商用ベース車を除くミニバン系では、樹脂製のフェンダーライナーを装着しているため無理にハンドルを切ると破損の恐れも。雪道走行時に定期的に確認を。

傾斜道路はとくに注意が必要

重心が高く車重が重いキャンピングカーの場合は 、慣性の力が大きく働く。慣性の力の大きさは、つまりブレーキに必要な力と考えることもできる。フロアの低い位置に荷物を積んだり必要最低限に抑えることで重心が下がり、傾斜路面でのベクトルの強さを抑えることができる。

厚着は安全運転の妨げになる

滑りやすい路面では繊細なハンドル&ペダル操作が必須。厚手のジャンパーやズボンなどを着用したままでの運転は、スムーズな操作を阻害する場合もある上、上体を動かしにくいために起こりがちなギクシャクした運転が、 事故の原因に直結するからだ。なるべく体を動かしやすい服装で運転しよう。

ドアの開閉時は注意が必要

ドアのウェザーストリップに水分が付着、凍結してボディ側に張り付いてしまう場合もある。無理にドアを開けると破損することも。普段使わないドアから開けてみるのも手。完全な解決策にはならないが、症状の緩和としてボディ側の接触面に凍結防止のスプレーを塗っておくのもお薦め。

重い荷物は 駆動軸付近に置く

駆動輪に近い位置に荷物を積 むことで、タイヤが路面にかける面圧も高まるため、滑りにくい傾向になる。ただ、尻下がりになるくらいの極端な積載は前輪の接地性不足を招き、ハンドルが効かなくなってしまう場合もあるので注意。スタック時の脱出にも活かせる方法なので覚えておこう。

鍵穴の凍結対策を 怠らない

凍結による固着を防ぐため、停車中はサイドブレーキを解除した状態とするなど、寒冷地ではさまざまな対策方法がある。加えてもうひとつ。キーレスエントリー装着車なら心配無用だが、鍵穴の凍結も見落としてはならない部分だ。凍結を緩和するために解氷スプレーをキーシリンダーに塗布しておこう。

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