キャンピングカーの7つのポイント

キャンピングカーには普通のクルマとは異なる特性が備わっている。
移動と宿泊がセットになっているのはもちろんそれ以外にもさまざまな魅力を備えているのだ。
それだけに普通乗用車以上に選択肢が広く選択に迷うことも多い。
ここではその選び方や購入方法について学ぼう。

目次

ポイント1 キャンピングカーの魅力について

・時間の制約がない
・災害時に活躍する
・ペットと一緒に移動

思い立ったら吉日…とはキャンピングカーのための言葉

現在のキャンプブームの高まりにより「キャンピングカーが欲しいなぁ」などと考えている方も多いと思う。けれど、同時に「乗用車を買うより、なんだか敷居が高そう…」と感じている人も少なくないと思う。

案じるより産むがやすしではないが、キャンピングカーの購入に敷居が高いなどということはない。確かに乗用車の購入よりも、少しばかり専門用語を理解しなければならなかったり、オプション用品の取捨選択が多くなったりと、勝手が違うことは事実だ。しかし、自分のキャンピングカーライフを想像しながら多少苦労するが、それはそれで楽しいというもの。

移動と宿泊がそれだけで完結する乗り物はキャンピングカーだけ、そしてそれが魅力。行きたい時に行きたい場所へ自分の赴くまま行けるキャンピングカーを手に入れると世界が変わることは間違いない!

ポイント2 キャンピングカーの種類について

まずはキャンピングカーの用途や使用目的をはっきりさせることから始めよう!

キャンピングカーといってもさまざまなタイプがある。そのタイプによって目的や使い方が異なるので、購入前の選定で、それを間違えると後悔する。

一番大切なのは、使用目的をはっきりさせること。ひと月に必ず1回は出かけるのか、それとも1年に1~2回程度なのか。日常生活でも使うのか、長距離移動が中心か、短距離なのか…。自分のライフスタイルを再認識することが購入のための第一歩だ。その上で、乗員や就寝人数を考慮に入れて車種選定をする。この本に登場する軽&コンパクトキャンピングカーの中には下記のような4つのタイプが存在する。特徴を良く理解して選ぼう。

軽キャン

軽自動車がベース。コンパクトで機動性は高いが、就寝人数は最大でも4名だ。多人数には不向きだ。

バンコン

バンやミニバンがベース。一見すると普通のクルマに見えることが利点になる場合もある。

キャブコン

トラックなどをベースにしたキャンピングカー。見た目にもいわゆるキャンピングカー然としているのが特徴だ。

キャンピングトレーラー

自らは移動する原動機を持たない。乗用車などに引っ張られる形で移動する。原動機がない分、安価だ。

ポイント3 キャンピングカーの室内について

モデルごとに装備の仕様や室内の広さが異なる

室内の作りはボディタイプと密接に関係している。ボディが大きくなれば、当然室内は広くなり、小さければそれなり…となるのだが、キャンピングカーの面白いところは、単純にボディの大きさと室内の広さが比例しない部分にこそある。軽&コンパクトカーベースのキャンピングカーには、さまざまなアイデアが詰め込まれ、外から見る印象とは違い、室内に入ってみると意外に広さを感じることがある。もちろん、絶対的な広さという意味では大型車に敵わないが、人数を絞った使い方をするなら、その取り回しの良さも手伝って「これで十分」と感じるはずだ。

ダイネット

テーブルを中心にした寛ぎのスペース。キャンピングカーらしい室内空間だ。対面の仕様からコの字型など、さまざまなパターンが存在する。

ベッドモード

一般的にはセカンドシートとサードシートを連結させてベッド展開させる就寝モード。どのように可変させるかで、作業時間が異なる。

バンクベッド

キャブコンの運転席の上部に設けられたスペース。ポップアップルーフとは異なり、常時使うことができるから、就寝以外にも荷物置きとしても使える。

ポップアップルーフ

走行中は折り畳んでおき、使用する時に開け放つ。オープンにしたポップアップルーフ内は意外に広く、2人が並んで就寝するには十分な広さ。

ポイント4 キャンピングカーの装備について

キャンピングカーの快適性は装備の充実度に比例する

クルマである以上、普通乗用車と同じように、エアコンやカーナビ、あるいは走行関係のメカニズムや安全装備は、ベースとなっているクルマの装備に準じている。その上で、キャンピングカーならではの装備がキャンピングカーたらしめているのだが、これらの装備のある・なしで、快適性が決まる。購入前に装着されている装備について、キチンと理解をしておこう。さらに、キャンピングカーにはオプション用品が用意されているが、当然、欲張り過ぎると予算オーバーということになりかねない。後から必要に応じて購入する方法も検討しよう。

FFヒーター

クルマの燃料タンクから燃料を供給して暖房機を作動させる装置。エンジンを停止しても使える。

エアコン

冷暖房効果の高い小型の家庭用エアコンが主流。使い過ぎがサブバッテリーの消耗につながるので注意が必要。

冷蔵庫

一般的にはサブバッテリーからDC12Vを電源にした製品を使用する。軽&コンパクトでは、車外に持ち出せるタイプもある。

電子レンジ

一般家庭用の製品を使用する場合が多い。インバーターを介したサブバッテリーから電源供給を受ける。

ベンチレーター

ルーフに穴を開けて取り付ける換気装置。電動ファン付きは吹き込み防止用にフタが付いている。

オーニング

ボディサイドに取り付けられた日よけ。簡単に専用ケースから引き出せ、また簡単に格納できるのが特徴。

ポイント5 キャンピングカーの電源について

電源を安定して確保することがキャンピングカーで快適に過ごすキモだ

より快適に車内で過ごせるように、さまざまな電化製品が搭載されている。その電化製品を使うためには電気が必要。一方、車中泊をする場合はエンジンを止める必要がある。エンジンを停止したまま電化製品を使うと、あっという間にバッテリーが消耗してしまう。そこで必要になるのが、これらの多くの電化製品を使うための独立した電気供給システムだ。メインバッテリーとは別に搭載する「サブバッテリー」や、外部から電源をバッテリーに引き入れる「外部電源」、走行中に充電する「走行充電」など、キャンピングカーならではの装備の役割と機能を理解しておこう。

サブバッテリー

メインバッテリーとは別に搭載するバッテリー。最近では、より長持ちするリチウムイオンバッテリーも増えてきた。

走行充電

エンジンで発電した電気をサブバッテリーに供給充電する装置。メインバッテリーが満充電になった電気を扱う。

インバーター

サブバッテリーのDC12Vを家庭用電源のAC100Vに変換する装置。1500Wや2000Wなどの種類が存在する。

外部充電

外部の電源からコードを用いてクルマに搭載されたサブバッテリーに電気を充電する電源のこと。大抵はリアエンドにある。

ソーラーパネル

太陽光で発電するソーラーパネルを使い、サブバッテリーに電気を供給するシステムのこと。発電量もさまざまだ。

発電機

一般的に家庭用電源に匹敵する電気を発生する装置。モデルによっては車内に収納したり、備え付け式がある。

ポイント6 キャンピングカーの購入について

予算との兼ね合いを考えて装備があとから加える方法もある

キャンピングカーの購入といっても、乗用車と異なる何か特別なことがあるわけではない。販売店に出向き、自分の欲しいモデルを選べばいいだけだ。ただし、キャンピングカーが乗用車と決定的に異なるポイントは存在する。

それは乗車定員のほかに就寝人数という項目が存在すること。だから、キャンピングカーを選ぶ時は、どのような目的で使うのか、何人で移動するのかを前もって明確にする必要があるのだ。使用目的が明確になったら、自分の求める要件を満たすモデルの中から選べばいい。

この後に悩むのはオプション用品の選定だろう。FFヒーターやソーラーパネルなどのキャンピングカー特有の装備が数多く存在し、装備すればするほど快適性が向上するのは間違いないが、それに比例して予算もどんどん膨れていく。予算との兼ね合いを考えながら、必要と思う装備をプラスしていこう。

購入までの流れ

1.目的を確認する

まずは自分がどのようなキャンピングカーライフを送りたいのかを明確にしよう。使用するのは夫婦2名だけなのか、あるいはそれよりも多いのか。それにより就寝人数が決まり、それを可能にするモデルが必要になる。用途によって選ぶべきモデルは変わってくる。

2.雑誌やHPで研究する

キャンピングカーが欲しいなら、まずは専門誌を読んでみよう。軽&コンパトカーベースのキャンピングカーだけが載っている本や、すべてのキャンピングカーを扱うキャンプカーマガジンには毎号、キャンピングカーの紹介や、最新情報が載っているから、読んで得することばかり。

3.欲しい装備を検討する

欲しいオプション用品たくさんあると思うが、最初からあまり欲張らずに、最低限の装備から始めて、後から徐々に装備を増やして行く方法もある。予算的に無理のない方法から始めよう。

4.イベントで実車を確認する

全国各地で行われているキャンピングカーイベントは、実際にモデルを間近で見られるチャンスだ。車内を見学できたり、価格や装備に関することを直接ビルダーに聞ける絶好の機会である上に、他車と比較ができることも嬉しいポイント。自分の使用目的を伝えれば、その用途に会ったキャンピングカーのタイプや装備を教えてもらえる。

5.販売店で商談を開始

購入するキャンピングカーが決まったら、販売店に出向いて見積書を作ってもらおう。車両価格にプラスして重量税、自動車税などの各種税金や、自賠責保険、リサイクル費用、希望のオプション用品などを含む総額を提示してもらう。

6.注文書確認して成約

注文書に記入された税金や、オーダーした仕様に間違いがないかの確認は必ず時間をかけて精査したい。特に注文したオプション装備などに誤りがないかの確認は必須。少しでも不明な点があれば、スルーすることなく、担当者に聞いて納得することも重要な行為だ。

ポイント7 キャンピングカーのお金について

キャンピングカーを維持するためには税金の支払いやメンテナンス費用が必要

キャンピングカーの購入には、普通のクルマと同じように法定費用の支払いが必要。毎年掛かる「自動車税」に車検ごとに掛かる「自動車重量税」。これに加えて、税金ではないが強制保険ともいうべき「自賠責保険」。キャンピングカーの購入は車体本体やオプション装備に加えて、これらにお金がかかることを忘れてはいけない。

下の表は、それらの金額を表記したもの。自動車税と重量税の表には、3&5ナンバーのクルマと、室内に基準の装備を満たし、法規上では「特種用途用自動車」と呼ばれる、いわゆる8ナンバー車に掛かる金額を掲載したが、自動車税、重量税ともに8ナンバー車の方が割安な設定であることが分かる。しかし、自賠責保険に関して、その理屈がそのまま通用せず、3&5ナンバー車と8ナンバー車ではそれほどの差は存在しない。

キャンピングカーを維持するためには、これ以外にも任意保険やメンテナンス費用などが必要になることを購入前に念頭に置いておこう。

自動車税

排気量3&5ナンバー
乗用車(円)
8ナンバー
特種用途自動車(円)
660cc以下10,8005,000
660~999cc以下25,00023,600
1000~1499cc以下30,50027,600
1500~1999cc以下36,00031,600
2000~2499cc以下43,50036,000
2500~2999cc以下50,00040,800

自動車重量税

重量3&5ナンバー
乗用車(円)
8ナンバー
特種用途自動車(円)
~500kg4,1004,100
~1000kg8,2004,100
~1500kg12,3008,200
~2000kg16,4008,200

自賠責保険

排気量12か月(円)24か月(円)
軽自動車11,44017,540
自家用乗用車11,50017,650
8ナンバー(軽自動車)8,28011,290
8ナンバー(乗用車)12,67019,980

まとめ

冷静な判断力で都合の良いモデルを手に入れる

キャンピングカーには普通のクルマと異なる使い勝手と装備が備わっている。欲しい装備を欲しいままに付け足して行くと、予算はどんどんと膨れ上がり、装備を載せることによって車重も増えるから、燃費は悪化する。キャンピングカーの購入にあたっては、普通のクルマ以上に「買った後の総合的な効果」を推し測る必要がある。実車を目の前にして高揚する気分を諌めて、冷静な判断が必要になるだろう。

番外編① レンタカーに乗ってみる

キャンピングカーには「レンタカー」が存在するので、買う前に試すことができる。借りることができれば、試してみたいことは非常に多い。異なるキャンピングカーを借りて、その違いや自分の好みがどちらかなのかをはっきりさせることも可能だ。

番外編② 中古車も検討する

キャンピングカーライフを始めるのに、なにも最初から新車を購入する必要はない。キゃンピングカーにも中古車が存在するから、それから始めるのも賢い方法だ。好みのモデルで、欲しい装備が付いているなら、もう迷う必要はない。

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