【第2回】失敗しないキャンピングカー選びの物語

連載第2回目のテーマは、「欲しい装備といらない装備」についてだ。もちろん、家で生活するように何でも装備していれば快適に過ごせるが、購入費用が莫大になったり、車両重量が大幅に増加してしまうのだ。

目次

キャンピングカーに欲しい装備といらない装備について

キャンピングカーのボディ形状(キャブコンバージョンやバンコンバージョンなど)ばかりに捉われてきたが、やっぱり一番見ていて楽しいのは内装、インテリアである。

クルマの中だけに広さは限られるが、キャンピングカーは「走る家」小っちゃな住宅なのだ。ダイニングにわくわく、キッチンにわくわく、2段ベッドにわくわく、今日も妄想は止まらない・・・・・。

肝心要のダイニングとキッチン

数多くのキャンピングカーを見続ける中で、「心躍るキャンピングカー」には1つの共通点があった。それは、キャンピングカーの神髄ともいえるダイニングスペースとキッチン(ギャレーとも呼ぶ)だ。

そういえば、各住宅メーカーのテレビCMは必ずダイニングからはじまる(と思う)。日本人にとって「楽しい家族の食卓」は、豊かさを表す最大の「象徴」なのだろう。

キャンピングカーも同様であり、ダイニングとキッチンがなければ絵にならない。各ビルダーは洗練された空間を演出し、さまざまな工夫と機能美を盛り込んでいる。そこにうっとりしてしまうのだ。

次に目が行くのは、車内とは思えないフルフラットの重厚なベッドである。これまた各社工夫を凝らしており、板バネ(弓状に反った板)や幾何スプリング(プラスチック製のバネ)を土台に、厚みのあるマットを敷いたものまで存在する。

毎晩寝ている万年床とは桁違い。たまに泊まるビジネスホテルのベッドとも比較にならない。毎日キャンピングカーに寝泊まりする人がいると聞いたことがあるが、理解もできる・・・・・かな。

そして、ダイニングとキッチン、フラットベッドは、キャンピングカーのレイアウト(間取り)に大きく影響することが分かってきた。快適性を追求すれば、どんどん住宅のように便利で夢のような世界に近づいていく。他方、本来の「移動するクルマ」からは離れて行ってしまう気もする。

つまり、『キャンピングカーの装備=電化製品』ではなく、レイアウトさえも決まってしまうダイニング、キッチン、フラットベッドの3大アイテムがもっとも重要なキャンピングカーの装備に当たるのだろう。

いらない装備なんてあるの!?

レイアウトが決まってきたら欲しい装備を思い浮かべ、必要装備(must)と希望装備(want)に分けてみる。

冷蔵庫やFFヒーター(強制吸排気暖房システム)をはじめ、家庭用AC100Vが使用できるDC/ACインバーター(このところは正弦波が主流)、さらに室内環境を整えるベンチレーター(いわゆる換気扇)やスカイライトルーフ(採光用アクリル製窓)など、キャンピングカーの装備は多岐にわたる。また、昨今の酷暑を考えると、やはりクーラーは欠かせない。

というように、欲しいものを羅列するとキリがないが、これらの装備品だけでもかなりの金額になることも忘れてはならない。そこで「must」と「want」に仕分けする必要があるのだ。

ここでも重要なのはライフワークだ。キャンピングカーをどのように使うのかによって費用、装備が変わってくる。正直、不必要な装備なんて1つもなさそうだが、使用頻度の高い装備は「must」、低い装備は「want」と苦渋の選択をしていく。

そして、その選択の繰り返しが、キャンピングカーオーナーの唯一無二の車両となっていくようだ。

3大アイテムのダイニング/キッチン/ベッド

キャンピングカーの要となるのが、ダイニング、キッチン、ベッドだ。この3大アイテムが購入のポイントとしてもっとも重要なのだ。

冷蔵庫/FFヒーター/インバーター/ベンチレーター/クーラーは?

これらのさまざまな装備は、用頻度の高いものは「must」、低いものは「want」として選択する必要がある。

トイレやシャワーっているの!?

トイレやシャワーは、誰もが1度は悩む装備。『キャンピングカー購入あるある!!』だろう。

トイレはいらないと決めている人もいるようだが、長い年月する間にオーナー自身(同乗する相棒)も歳を重ねる。徐々に生活スタイルも変わり考え方も変わってくる。

「やっぱり欲しくなる時が来るのかな・・・・・」と再考する価値のあるアイテムだ。でも、このタイミングで本当に議論しなければならないのは、ブラックタンク(汚物用のタンク)の処理である。日本は欧米に比べ、ブラックタンクの処理施設がまだ少ない、らしい。

一方、汚物を処理する薬品も相当進化しているようで「匂いすらしない!?」との情報も耳にする。いずれにしてもトイレのある・なしは永遠のテーマのようだ。

ただし、トイレが装備されている車両は、おおかたシャワールームも完備されている場合が多く、トイレやシャワーのある・なしはクルマ旅の旅程(スケジュール)さえも左右させる。じっくり考える必要がありそうだ。

1度は悩む装備がトイレ/シャワー

購入あるあるでもっとも悩ましいのが、トイレ&シャワーだろう。必要なのか、不必要なのか。ある意味、永遠のテーマと言えるだろう。

結論!旅路のイメージを決めなさい

結局のところ、キャンピングカーでどのような旅や遊びに使うのか。誰とどこに、どのぐらいの日程で行くのか。その具体的なイメージをもってキャンピングカーの装備を検討する。

使わない装備を装着するのはそもそも費用のムダ使いだし、限られたスペースのキャンピングカーを最大限活用するには、オーナーの旅路にフィットしたスペックにしなければならない。

仮に車中泊専用の車両を購入する場合でも、「フラットベッドだけあれば良い」と安直に考えず、フラットベッドの厚みや素材を吟味するなど、自身に必要なアイテムをどのレベル(快適さや品質など)まで高めるのか良く考えるべきだ。

各社のHPを掘り下げて読み漁るだけでも装備1つ1つにこだわりがあり、その差を感じることができる。「私がキャンピングカーを購入する時」、それはすべての装備やアイテムを理解し、必要・不必要を選別した時である。

私はキャンピングカー購入でミスをしない。なぜなら、「キャンピングカーは走るわが家」だから。

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