車載エアコンの室外機は設置場所によって冷房効率や消費電力が違うの!?
キャンピングカーにエアコンを搭載するのが常識化しつつあるが、冷房能力の大きなエアコンは室外機があり、今回は、装着場所によって消費電力が違うかを実験。
床下にも設置が可能な機種ではルーフに設置した場合と違う?
生徒 私、エアコンを付けようと思って。
koniken先生 この前、実証実験した「e-コンフォート」かい?
生徒 あれって室外機をルーフに付けるでしょ。前に実験した「クールスター」だと、床下に付けられるから、車高が抑えられて良いかな~と思ってるんだけど、チョット心配があって。
koniken先生 心配?
生徒 室外機を床下に設置すると、吸排気スペースが床下だから排気ガスの影響がないかなっって?
koniken先生 おいおい、キミは走行中に使用する気かい。床下に室外機を設置した場合はエンジンを停止しないといけないんだよ。
生徒 じゃあ、走行中は車内が暑くなるんだ。
koniken先生 走行中はカーエアコンがあるじゃないか。
生徒 あっ、そうだった。
koniken先生 でも、吸排気スペースって言われて気付いたけど、確かに床下はスペースが狭いから、排気熱がこもる可能性があるな。
生徒 熱がこもる?
koniken先生 熱がこもると室外機が熱くなって冷房効率が悪くなる可能性があるんだよ。
生徒 でも家に付けるエアコンだと、室外機は日陰に設置した方が効率的って言われてるから、クルマの床下は完全な日陰だから効率的なのでは?
koniken先生 まぁ、ルーフに室外機を設置すると直射日光に晒される時間が多くなるから、冷房効率が悪くなりそうな気もするなぁ~。
生徒 そのあたりのデータはないんですか?
koniken先生 ちょっと待ってくれ。今ホームページを見てみるから。・・・・・ウーン、室外機を床下に設置した時の振動試験のデータと写真はあるけどなぁ~。サブバッテリーでの使用可能時間もあるが、室外機をルーフ上と床下に設置した際の効率についてはないなぁ~。
生徒 ないなら実験してみたら良いのでは?
koniken先生 その手は行けるなぁ~。
生徒 じゃあしましょうよ!
koniken先生 でも大変な手間と準備が必要になる。
生徒 それをしてしまうのが先生でしょ。
koniken先生 なら、実証実験してみよう。
冷房効率や消費電力は変わらず床下は路面温度が高温だと停止
koniken先生 それではまず、ハイエースのルーフに室外機を設置して実験をしよう。
生徒 猛暑日だから最適!
koniken先生 猛暑日どころか外気温計は41.3℃だぞ。車内も直射日光に晒されて締め切ってたから、44.1℃もある。
生徒 これで車内がギンギンに冷え続ければ最高ですよ。
koniken先生 そうは行かないよ。この前使った、このリチウムイオンバッテリーで何時間動くかの実験だからね。
生徒 これって超リーズナブルなアンペアタイムの100Ahじゃないですか。これだと計算上で2~3時間しか動かない?!
koniken先生 消費電力が最大で400W程度だから、キミの計算通りだね。でも、この高温下だと持つかどうか。
生徒 私が車内で待機します。
koniken先生 ではバッテリーを繋いで実験スタート。
生徒 ハイ、でも暑いです。アッ吹き出し口から非常に冷たい空気が勢いよく出てきました。
koniken先生 電流量が50Aオーバーだ。
ー15分後ー
生徒 かなり冷えてきました。
koniken先生 電流量が20A代に下がってきたね。この調子だと3時間以上は動くかな。
ー3時間47分で停止ー
ー5日後ー
koniken先生 今度は床下に室外機を設置して実験だ。
生徒 良い結果が出たら、クールスターを床下設置します。
koniken先生 今回も猛暑日だなぁ。
生徒 私がスタートさせます。車内は前回ほど暑くない。
koniken先生 暑過ぎるからハイエースを日陰に避難させといた。前回同様、電流量は50Aオーバーか。
ー10分経過ー
生徒 アッ、停止しました。
koniken先生 しまった。直射日光で路面温度が高過ぎてオーバーヒートしたな。
ー夕方。外気温37℃ー
koniken先生 さぁ、路面温が下がったから再実験だ。
生徒 さっきと同様に涼しい。
koniken先生 始動時の電流量も同様に50A台だな。
ー3時間51分で停止ー
生徒 ほぼ変わりませんね。でもアスファルトやコンクリートの路面が暑すぎるとオーバーヒートで停止するなんて。
koniken先生 これは盲点だったな。
リチウムイオンバッテリー実験シリーズ第13弾!
室外機をルーフと床下に設置して実験!
クールスターは室外機をルーフ上(上)のほか、床下(下)にも設置することができるDC12V仕様のキャンピングカー専用設計のエアコン。
エアコンの室内機はハイエースの側面に壁掛け設置。広い車内全体を均等に冷やす方式にしている。
リーズナブルな100Ahのリチウムイオンバッテリーを電源にして電流量を測定。車内外、吹き出し口温度も計測。
エアコンの室外機を車両ルーフと床下にそれぞれ設置しバッテリーで何分稼働するか実験
車両:ハイエース
エアコン:クールスター12Vモデル
バッテリー:リチウムイオン100Ah
●7月12日 車両ルーフ設置
実験開始時間 13時30分 晴れ
外気温度 41.3℃ 車内温度44.1℃
結果:連続稼働時間/3時間47分で停止
●7月17日 車両床下設置
実験開始時間 17時00分 晴れ
外気温度 37℃ 車内温度36.9℃
結果:連続稼働時間/3時間51分で停止
※17日の床下設置の場合、午後の気温が高い状態ではオーバーヒートにより開始10分程で停止してしまうため、夕方から実験した。
※実験結果は気温や湿度、機器の取付方法等により変わりますので予めご了承下さい。