Q&A 教えて!koniken先生 電気に関する疑問⑰

リチウムイオンバッテリーは走行充電では充電時間が長い問題を解決する

前回の実験で、リチウムイオンバッテリーは鉛バッテリーより充電時間が長くなったが、その原因が走行充電器とバッテリーの相性にあると予想し新たな実証実験をしてみた。

リチウムイオンバッテリーを 走行充電で早く充電したい!

生徒 先生、私のキャンピングカー仲間が前回の記事読んで、走行充電って、あんなに充電時間が遅くないはずだって言ってんだけど。 

Koniken先生 その友達って何乗ってるんだい。

生徒 ハイエースのバンコンで、ニューエラの最新式リチウムイオ ンバッテリー対応の走行充電器を使ってるんだって。

Koniken先生 最新式だと SBCー005あたりかい?

生徒 なんたら5って言ってたから、そうじゃないかな〜。

Koniken先生 やっぱり。 実を言うと、SBCー005だと充電時間が早いっていう噂があるんだ。前回実験したシーテックの組み合わせセット価格は11万円ほどだけど、ニューエラのSBCー 005は8万円くらいで買えるから、約30%安く手に入る製品の方が充電効率が良かったら、そちらに付け換えた方がお得ってことになるんだな〜。

生徒 私なら買い換える!

Koniken先生 それが、もっと安価で充電能力が高い走行充電器の噂もあるんだよ。

生徒 安いっていくら?

Koniken先生 それがなんと3万円代なんだよ。しかも、走行充電とソーラーパネルからのラインもつなげられるんだ。これで本当に効率良くリチウムイオンバッテリーが充電できるとなったら、シーテックの3分の1の値段ってことになるよね〜。

生徒 それなら、どっちも実証実験すればいいじゃない。

Koniken先生 まぁそうなんだけど、良い結果が出たらシーテックが売れなくなるよ。

生徒 エッ、先生って企業の見方だったっけ。こないだ実験したSOKのバッテリーだって、安くて高性能だから実験したんじゃなかったっけ?

Koniken先生 まぁ、確かにそうだね。

生徒 両方合わせても11万円でしょ。シーテックのシステムと同じじゃないですか。なんなら、この前のシーテックのシステムを友達に売りましょうか?

Koniken先生 この記事を見て製品選びする読者も多いって聞いてるから、キャンピングカー屋さんに行って、安い走行充電システムとリチウムイオンバッテリーを付けて下さいって言われると、キャンピングカー屋さんが困らないかなって。

生徒 大丈夫ですよ。DIYで配線し直しは簡単にできるじゃないですか。

Koniken先生 じゃあ、実験するか。

充電の出力が半分以下なのに半分以下の短時間で満充電!? 

Koniken先生 まずは信頼性の高いニューエラから実験するか。このSBC-005は充電出力が最大で60Aだから、前回のシ ーテックのシステムが最大140Aだったから半分以下になる。

生徒 でも、前回は充電中の最大値は40A以下でしたよね。

Koniken先生 よく覚えてるな。

生徒 だって、100Ahのバッテリーなら1時間以下で満充電すると思ってたら、5時間以上かかったじゃないですか。

Koniken先生 それを踏まえて、今回もハイエースで前回同様のSOKの100Ahのバッテリーに充電するんだ。

生徒 また5時間も実験し続けるんですか。今10時過ぎだからお昼食べる時間がなくなる〜。

Koniken先生 実験したいってケシかけたのはキミだぞ。まぁスタートするから、キミは30分ごとの電流測定だ。

生徒 分かりましたよ。さっさとスタートして下さい。

Koniken先生 スタートしたぞ。

生徒 エッ、突然60・9Aです。

ー1時間経過ー

生徒 まだ53A以上ですよ!

Koniken先生 充電量も44%に達してる。前回は30%以下だったから、こりゃ好成績だ。

ー2時間経過ー

生徒 まだ40A以上ですよ。

Koniken先生 充電量も93%に達してる。

ー15分後に満充電で完了ー

生徒 早かったですね〜。お昼を食べる余裕があるなんて。

Koniken先生 昼飯をゆっくり食べて、次はレノジーだ。

ー昼食休憩ー

Koniken先生 次はレノジ ーのRBC50D1Sだ。これは充電出力が最大50Aと劣るが、通販サイトで3万円台なんだ。

生徒 安すぎですね。

Koniken先生 では、さっきの要領でスタートする。

生徒 ハイ、エッ、こっちもいきなり48・3Aですよ!

Koniken先生 幸先き良好。

ー1時間経過ー

生徒 まだ40Aオーバーです。

Koniken先生 充電量が47%になってるよ。こりゃ凄い。

ー2時間経過ー

生徒 40Aを切りました。

Koniken先生 充電量は87%だから伸び率は落ちてるな。

ー45分後に満充電で完了ー

生徒 安い製品なのに凄い!

Koniken先生 最大充電出力よりバッテリーとの相性か。

生徒 実験は大成功でしたね。

走行充電器として定評のニューエラのSBC-005は、充電流60Aの昇降圧方式によりリチウムイオンと鉛バッテリーごとに適正充電圧で充電。

レノジーのRBC50D1Sは充電流50AのMPPT式バッテリーチャージャーで、走行充電に加えソーラー発電にも対応し、同時使用も可能。

実験日:11月13日(月)
バッテリー:SOK100Ah
走行充電器:New-Era[SBC-005]
      RENOGY[RBC50D1S]

●SBC-005 スタート時電圧 11.93V

時間0H(10:19)0.5H(10:49)1.0H(11:19)1.5H(11:49)2.0H(12:19)2.15H(12:34)
充電量0%28%44%69%93%100%
電流【A】60.9A53.6A53.5A51.2A41.9A6.45A
電圧【V】13.26V13.89V13.91V13.93V14.02V14.23V

●RBC50D1S スタート時電圧 12.23V

時間0H(14:35)0.5H(15:05)1.0H(15:35)1.5H(16:05)2.0H(16:35)2.45H(17:00)
充電量0%24%47%68%87%100%
電流【A】48.3A48.2A45.9A43.6A38.8A0.62A
電圧【V】12.77V13.60V13.65V13.76V13.77V14.24V

※実験結果は実験環境により変わります。

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