リチウムイオンバッテリーは走行充電では充電時間が長い問題を解決する
前回の実験で、リチウムイオンバッテリーは鉛バッテリーより充電時間が長くなったが、その原因が走行充電器とバッテリーの相性にあると予想し新たな実証実験をしてみた。
リチウムイオンバッテリーを 走行充電で早く充電したい!
生徒 先生、私のキャンピングカー仲間が前回の記事読んで、走行充電って、あんなに充電時間が遅くないはずだって言ってんだけど。
Koniken先生 その友達って何乗ってるんだい。
生徒 ハイエースのバンコンで、ニューエラの最新式リチウムイオ ンバッテリー対応の走行充電器を使ってるんだって。
Koniken先生 最新式だと SBCー005あたりかい?
生徒 なんたら5って言ってたから、そうじゃないかな〜。
Koniken先生 やっぱり。 実を言うと、SBCー005だと充電時間が早いっていう噂があるんだ。前回実験したシーテックの組み合わせセット価格は11万円ほどだけど、ニューエラのSBCー 005は8万円くらいで買えるから、約30%安く手に入る製品の方が充電効率が良かったら、そちらに付け換えた方がお得ってことになるんだな〜。
生徒 私なら買い換える!
Koniken先生 それが、もっと安価で充電能力が高い走行充電器の噂もあるんだよ。
生徒 安いっていくら?
Koniken先生 それがなんと3万円代なんだよ。しかも、走行充電とソーラーパネルからのラインもつなげられるんだ。これで本当に効率良くリチウムイオンバッテリーが充電できるとなったら、シーテックの3分の1の値段ってことになるよね〜。
生徒 それなら、どっちも実証実験すればいいじゃない。
Koniken先生 まぁそうなんだけど、良い結果が出たらシーテックが売れなくなるよ。
生徒 エッ、先生って企業の見方だったっけ。こないだ実験したSOKのバッテリーだって、安くて高性能だから実験したんじゃなかったっけ?
Koniken先生 まぁ、確かにそうだね。
生徒 両方合わせても11万円でしょ。シーテックのシステムと同じじゃないですか。なんなら、この前のシーテックのシステムを友達に売りましょうか?
Koniken先生 この記事を見て製品選びする読者も多いって聞いてるから、キャンピングカー屋さんに行って、安い走行充電システムとリチウムイオンバッテリーを付けて下さいって言われると、キャンピングカー屋さんが困らないかなって。
生徒 大丈夫ですよ。DIYで配線し直しは簡単にできるじゃないですか。
Koniken先生 じゃあ、実験するか。
充電の出力が半分以下なのに半分以下の短時間で満充電!?
Koniken先生 まずは信頼性の高いニューエラから実験するか。このSBC-005は充電出力が最大で60Aだから、前回のシ ーテックのシステムが最大140Aだったから半分以下になる。
生徒 でも、前回は充電中の最大値は40A以下でしたよね。
Koniken先生 よく覚えてるな。
生徒 だって、100Ahのバッテリーなら1時間以下で満充電すると思ってたら、5時間以上かかったじゃないですか。
Koniken先生 それを踏まえて、今回もハイエースで前回同様のSOKの100Ahのバッテリーに充電するんだ。
生徒 また5時間も実験し続けるんですか。今10時過ぎだからお昼食べる時間がなくなる〜。
Koniken先生 実験したいってケシかけたのはキミだぞ。まぁスタートするから、キミは30分ごとの電流測定だ。
生徒 分かりましたよ。さっさとスタートして下さい。
Koniken先生 スタートしたぞ。
生徒 エッ、突然60・9Aです。
ー1時間経過ー
生徒 まだ53A以上ですよ!
Koniken先生 充電量も44%に達してる。前回は30%以下だったから、こりゃ好成績だ。
ー2時間経過ー
生徒 まだ40A以上ですよ。
Koniken先生 充電量も93%に達してる。
ー15分後に満充電で完了ー
生徒 早かったですね〜。お昼を食べる余裕があるなんて。
Koniken先生 昼飯をゆっくり食べて、次はレノジーだ。
ー昼食休憩ー
Koniken先生 次はレノジ ーのRBC50D1Sだ。これは充電出力が最大50Aと劣るが、通販サイトで3万円台なんだ。
生徒 安すぎですね。
Koniken先生 では、さっきの要領でスタートする。
生徒 ハイ、エッ、こっちもいきなり48・3Aですよ!
Koniken先生 幸先き良好。
ー1時間経過ー
生徒 まだ40Aオーバーです。
Koniken先生 充電量が47%になってるよ。こりゃ凄い。
ー2時間経過ー
生徒 40Aを切りました。
Koniken先生 充電量は87%だから伸び率は落ちてるな。
ー45分後に満充電で完了ー
生徒 安い製品なのに凄い!
Koniken先生 最大充電出力よりバッテリーとの相性か。
生徒 実験は大成功でしたね。
走行充電器として定評のニューエラのSBC-005は、充電流60Aの昇降圧方式によりリチウムイオンと鉛バッテリーごとに適正充電圧で充電。
レノジーのRBC50D1Sは充電流50AのMPPT式バッテリーチャージャーで、走行充電に加えソーラー発電にも対応し、同時使用も可能。
実験日:11月13日(月)
バッテリー:SOK100Ah
走行充電器:New-Era[SBC-005]
RENOGY[RBC50D1S]
●SBC-005 スタート時電圧 11.93V
時間 | 0H(10:19) | 0.5H(10:49) | 1.0H(11:19) | 1.5H(11:49) | 2.0H(12:19) | 2.15H(12:34) |
充電量 | 0% | 28% | 44% | 69% | 93% | 100% |
電流【A】 | 60.9A | 53.6A | 53.5A | 51.2A | 41.9A | 6.45A |
電圧【V】 | 13.26V | 13.89V | 13.91V | 13.93V | 14.02V | 14.23V |
●RBC50D1S スタート時電圧 12.23V
時間 | 0H(14:35) | 0.5H(15:05) | 1.0H(15:35) | 1.5H(16:05) | 2.0H(16:35) | 2.45H(17:00) |
充電量 | 0% | 24% | 47% | 68% | 87% | 100% |
電流【A】 | 48.3A | 48.2A | 45.9A | 43.6A | 38.8A | 0.62A |
電圧【V】 | 12.77V | 13.60V | 13.65V | 13.76V | 13.77V | 14.24V |
※実験結果は実験環境により変わります。