【第1回】失敗しないキャンピングカー選びの物語

今号から始まったこの企画は、キャンピングカー選びをする際に後悔のないようにするためのあれこれを伝授します。第1回目は、キャンピングカーのタイプについて解説、アドバイスします。

目次

悩ましい……キャンピングカーの多種多様な車種

今日も深夜1時を告げるベル(携帯)が鳴った。夜の思考沈頭状態に区切りをつけ、睡眠を取るための自信への合図である。私は今ある物を手に入れるため、毎夜知識を詰め込んでいる最中だ。長年の夢だった「走る家」、キャンピングカーである。

家は3軒建てたときやっと満足できる家になる

誰が言い始めたのだろう。最初の家はあれこれ要望や情熱を詰め込み、ようやく完成したら、「もう少しこうするべきだった・・・・・」なんて新たな思いが交差する(らしい)。残念なことに家を建てた経験はまだない。いや、今後もないかもしれない。
ひょっとして・・・・・キャンピングカーも3台目にやっと満足するのだろうか(ある意味、いえみたいなものだし・・・・・)。もちろん、そんな時間と余裕(お金も)はなく、そもそも3台目までたどり着くには何歳になっているのかさえわからない。

ネットを検索して数ヶ月。
徐々に知識も芽生え始め、キャンピングカーのあれこれが分かり始めた。それにしても、どうしてこんなに種類が多いのだろう。キャンピングカーの代表でもある通称キャブコン(トラックベースに居住空間シェルが搭載されたモデル)に目が留まり、ダイニングの広さ、4名以上が寝られるベッド、そして何よりも豪華な内装に心奪われた。誰もが一度は夢見た車両モデルではないだろうか。
その地で採れた(道の駅で買うだけですけど)旬の幸を味わいながらダイニングでお洒落に夕食。キャンピングカーを所有した満足感に浸るため、あえて夜風に当たってみる。優越感も感じ、淡い星空をただ見上げ続けている。しばらくすると自然と瞼が落ち、何時なのかも確かめずバンクベッドに潜り込みそのまま眠りに落ちる。早朝、また優越感を感じるために。

ちょっと待って!バンコンという手もあり

妄想を続けて数ヶ月、だんだんキャンピングカーの良し悪しが見えてきたような気がする。と同時に、本当にキャブコンが良いのだろうか?なんて思い始めた。
きっと、キャンピングカー所持者には当たり前のこと(情報)なのだろうが、バンコン(ハイエースなどの箱型車両のキャンピングカー)も多くのビルダー(製造メーカーのこと)が手掛けており、多種多様なモデルが存在する。
キャブコンは一定のビルダーが製造・販売しているが、バンコンに至ってはビルダーの数だけでも数えきれないほどだ。ということは・・・・・、そこに大きな需要がある!?ということらしい。となると、候補の1つとして加えなければならない。

どうやらバンコンの最大の利点は、充実した装備を持ちながら高い機動力(走破性)を発揮するところにあるようだ。キャブコンほどの広い空間ではないものの、同レベルの装備を搭載し、かつ狭い日本の道路事情にマッチした、まさにトータルバランスの取れたキャンピングカーといえる。

まだまだあるぞ!深夜の学習は続くのだった

こうなってくると、ほかのモデルもなぜか気になってくる。自身の性格も相まって、納得するまで調べてみることにした。まはや学生時代の学習(勉強)に近い。どんな世界でも奥が深く、知れば知るほど面白い。どうやらキャンピングカーというループに陥ってしまったようだ。
機動力という面から考えると、コンパクトキャンパーも理解ができる。ライトな装備にはなるようだが、小生のような一般庶民は日常でも生活しなければならない。むしろ日常が9割といっても過言ではない。若干、現実に戻されてしまったが深夜の学習は続く・・・・・。

軽キャンパーも趣味の世界では実力を発揮しそうだ!釣りや登山、日本周遊などの1人旅、まさに大人のおもちゃ(変な意味ではありません)的な使い方には最良モデルだと思う。燃料代や高速料金、フェリー代まで安い。さらに、軽自動車の優遇税も享受でき、一石二鳥ならぬ一石三鳥とも四鳥ともいえる。
そしてまったく眼中になかったトラキャン(ハイラックスなどの荷台に居住空間シェルを載せ降ろしできるモデル)や牽引式トレーラーも面白そうだ。

先に記載したように、街ゆく人々には日常生活が存在する。にもかかわらず、普段使用しないキャンピングカーの装備を、常にスーパーマーケットに引き連れて動くのはどこか矛盾している。その点、トラキャンやトレーラーは必要時にだけ接合でき、1番理に適っている。昨今の「SDGs」の観点からも改めて評価できそうだ。

結論!「ライフワークを先に決めなさい」

何のためのベルだったのか、時計の針は深夜2時を示している。学生時代とは違い、さすがに深夜のデスクワークは辛い。目の奥が重たいのは歳のせいもあるのだろう。数ヶ月の結果をそろそろ弾き出したいところだ。
いろいろ目移りした数カ月だったが、ようやくある結論に達した。欲しいキャンピングカーを見つけ自分がそこに近づくのではなく、自信が思い描くライフワークやキャンピングカーライフにどの車種・タイプが適合するのか?
キャンピングカーを自分のスタイルに近づけ、合わせること。これが答えだと思う。そのためには趣味のため、旅行のため、家族サービスなど、求めるワイフワークを明確にしなければならない。『自分の人生を彩るために』。

キャンピングカーのタイプ

キャブコンバージョン

通称「キャブコン」。キャブ付きシャシー(含む、ピックアップトラック、SUV、およびワンボックス型車をベースにしたもの)にキャビンを架装メーカーが製造したもの。

バンコンバージョン

通称「バンコン」。バン、ミニバン、ワゴン等をベースに架装メーカーが改造したもので、キッチン、サニタリー、就寝スペース等、車内架裝に重点を置いたもの。

軽キャンピングカー

通称「軽キャンパー」。軽自動車の貨物車や乗用車をベースに、キャンピングを目的として設計・製造したもの(8ナンバー取得は問わず。ただし軽自動車登録のこと。)

トラックキャンパー

通称「トラキャン」。ピックアップトラックの荷台に搭載(脱着可能)するキャビンを架装したもの。

キャンピングトレーラー

牽引装置(ボールヒッチ、フィフスホイール)によって牽引されるシャシー(フレーム、車軸系などのみ)にキャビンを架装し製造したもの。

バスコンバージョン

通称「バスコン」。バス、マイクロバスのベースボディーをそのままに、架装メーカーが改造したもの。

フルコンバージョン

通称「フルコン」。専用のベアシャシー(フレーム、駆動系、エンジンなどのみ)にキャビンのすべてを架装メーカーが製造したもの。

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