クルマと家が合体したかのようなこれぞキャンピングカーというタイプ。かがまずに室内を移動できる天井の高さは家にいるようにリラックスできる。憧れの高額モデルも多数揃っている。
滞在時にこそ本領を発揮する目的がハッキリしたタイプ
居住空間となるキャンピングシェルを載せた、いかにもキャンピングカーらしい姿を持つ。家の壁と同じく垂直な側面、大人が立てる高い天井などの共通アイコンは、居住性を求めた結果だ。優先すべきことがはっきりしているため、シェルはベース車よりも幅広くなりがちで、横方向を向いても十分なベッドスペースが作られる。
キャブ上部にせり出した部分はベッドとしやすく、ファミリーやグループで使いやすい就寝人数を確保しやすい。
シェルに断熱材を張るだけでなく、硝子よりも断熱性に優れるアクリル2重窓を使うことで外気温度の影響を遠ざけるなど、滞在先ではもっとも基本性能が高いのが魅力だ。ボディ形状から横風の影響を受けやすく、狭い道は走りにくいなどのデメリットもあるが、これらは慣れの問題だ。
ポイント
1.横と高さに余裕が生まれることで居心地の良い空間となりやすい
2.ベッド数と面積を確保しやすくいろんなケースに対処しやすい
3.外から荷物を出し入れしやすくアウトドアでの使い勝手に優れる
いろいろなベース車
トラックを中心にさまざまな仕様がある
キャブコンは運転席と助手席があるキャブ部分以外をキャンピングシェルで架装するため、ボディがなくても剛性を確保するラダーフレームを持つトラックがベース車となりやすい。また、パソコンから乗り換えたり、ベース車にこだわりがある人もいるため、バンベースも存在する。どちらも足回りを強化して走行安定性や乗り心地を最適化させるのが一般的だ。
カムロード
キャブコンベースとなるべく、トラックのダイナを元に開発された中核モデル。
ハイエース
かつてはトラックも存在した。現在はバンをベースに、扱いやすいモデルとして人気がある。
タウンエース
4ナンバーサイズのコンパクトなトラック。機動性に優れた仕上がりのモデルが多い。
NV200
FF+CVTによる乗用車に近い乗り味が特徴。コンパクトなバンがベースだ。
キャブコンの特徴
バンクベッド
ルーフ前方のせり出した部分は、上部ベッドとして利用されることが多い。ベッドとして使わない時も、かさばる布団類の収納に向いている。
バンクベッドの天井は低いが、寝床としては気にならない。
フロアベッド
リビングとベッドを兼用する、キャンピングカーの目玉部分。キャブコンはスペースが広い分、ビルダーごとのアイデアが目立ち、快適性に直結する。
マットの配置でフラット化させる手順や作業の早さなども確認しておきたい。
常設ベッド
リア側の高い位置に配置されることが多い。この下を大型収納庫とし、車外から荷物を出し入れしやすくしたものが多い。ベッドボードを外せば室内からも出し入れできる。
ベッドへのアレンジの必要がなく、思い立ったらすぐ寝られる。
マルチルーム
防水された小部屋を用意し、トイレやシャワールームなどに使える多用途室。高さと広さがあるキャブコンには多く用意される。
持ち込む機材によってさまざまに使える。
カムロードはこんなクルマ
ベース車とする際にビルダーが手を加える部分を、メーカー側で事前に変更した専用モデル。
キャンピングカー専用に準備万端
トラックであるトヨタ・ダイナを、キャンピングカーに仕立てる前提でワイドトレッド化するなどの機能、装備を整えたモデル。一般販売はされず、キャンピングカービルダーにのみ供給するという完全なキャブコンベース車だ。2000㏄ガソリンエンジンと2800㏄ディーゼルターボをラインナップし、先進安全装置であるトヨタセーフティセンスも搭載。安全・快適に運転できるクルマとなっているため、キャブコンベース車のトップシェアを誇る。
フロアシフトの6ATを備えている。
運転席&助手席の下にエンジンを配置。
ミリ波レーダーで前方を監視する。
カメラは車線からのはみ出しも警告する。
キャブコンはこんな人にオススメ
滞在時の快適性を優先する人に最適
「走る家」としては理想に近い形状なので、滞在メインで選ぶ人に最適、キャンプは現場での臨機応変で問題をクリアできるものだが、空間的な問題は対処しようがないので、最初に余裕を持たせておくのは賢い方法だ。
車両によってはリアベッドの下に大型収納庫を設け、大量の荷物を詰め込めるものもあり、室内レイアウトの自由度が高い分だけ理想を超えるモデルに出会える。メリットが多い分だけ全体として高価格帯になりがちで、日々の生活を考えると買い出し用のセカンドカーは用意したい。