バンやミニバンをベースにしたモデル。普通のクルマに見えるので、スタイル上は一見普段使いでも何ら違和感がない。それでいて、室内にはアイデアが詰め込まれたキャンピングカーに仕立てられている。
キャンピングカーなら見て分かると思っても、外観ノーマルのバンコンなど通でも見抜けない。
キャンピングカーがどんな形状に分類され、それぞれメリット&デメリットはどうなのか。まとめて分かりやすく解説しよう。
バンコンは、見た目はごく普通のバンなのに本格的な宿泊能力を整える
運転席まわり以外をキャンピングシェルに架装した車両。居住スペースを広く取ることができ、豪華なモデルが多い。
バンのワンボックスボディをそのまま利用してキャンピングカーに仕立てたのがバンコンだ。
リアのサイドウインドー部分を出窓化して空間を拡大する場合もあるが、基本的にはベース車のサイズが反映される。
元の姿のままなので走行安定性が高く、特別なコツなど知らなくても運転できる手軽さが大きなメリット。
家具の配置によっては高い積載量を持つモデルもあり、キャンピングカーとしてだけではない多用途性を持つこともある。
キットによって簡単に車中泊仕様とした安価なタイプから、2段ベッドを備えたファミリー向け、後方に隔壁を設置して部屋を分けたタイプなど、さまざまな空間利用を実現した車種が揃う。
日本の市場では広いシェアを獲得しているため、装備内容もある意味選び放題。選択肢の広さが魅力のタイプである。
いろいろなベース車
商用バンを中心にミニバンまで選べる
効率よく荷物を積み込める荷室を持ったワンボックスタイプの商用バンがベース車。ベース車の大きさが室内の広さに直結するため、ハイエースベースの車両が数多いが運転しやすさなどを重視した小型のモデルに力を入れるビルダーも存在する。それぞれに特徴を生かした作り込みがなされているため、いろんな車両を直接見てみることが、キャンピングカーライフを楽しむためには欠かせない。
ハイエース
商用バンとしてもキャンピングカーとしても圧倒的な人気モデル。
キャラバン350NV
スーパーロングにも標準幅ボディを用意し、ハイエースとは似て非なるパッケージを持つ。
タウンエース
4ナンバーならではのコンパクトらしさを生かしたモデルが存在する。
NV200
FFならではの走行感覚がコンパクトボディを機敏に走らせる。
その他
ミニバンベースは乗車用の後席を残してのベッドアレンジが一般的。
ハイエースには豊富な仕様が存在
ハイエースのボディバリエーション
ボディタイプ | 全長 | 全幅 | 全高 |
ロング/標準ルーフ/標準ボディ | 4695 | 1695 | 1980 |
ロング/ハイルーフ/標準ボディ | 4695 | 1695 | 2240 |
ロング/ミドルルーフ/ワイドボディ | 4840 | 1880 | 2150 |
スーパーロング/ハイルーフ/ワイドボディ | 5380 | 1880 | 2285 |
ボディタイプごとに異なる性格を持つ
バンコンタイプのキャンピングカーの中でもっとも数多くのモデルが作られているのがハイエース。
そのイメージリーダーたるスーパーロングは、国産ベース車としては最大級の室内空間を誇り、各ビルダーが家具やベッドのレイアウトに趣向をこらしている。装備を充実させたモデルも多く、ファミリータイプなど高い居住性が特徴だ。もうひとつの柱がワイドで、全長を5mに押さえて運転しやすく、それでいて広く感じる室内が好評だ。そして4ナンバーボディを持つロングは都市部でも扱いやすいサイズ感と大人2名の就寝には余裕の室内を両立している。
ポイント
- 普通の感覚でドライブできる取っ付きやすいパッケージ
- 見た目は普通のバンと同じで特別広い駐車場など不要
- 豊富な車種が揃っているためジャストなクルマが選び放題
広いモデルをベースにすることで、旅先での宿としては十分な空間を確保している。
ベースが同じでも、ビルダーごとのアイデアが投入されることで、豊富なシートレイアウトや家具の配置がなされている。
ポップアップルーフ
上方向へはボディを超えての展開も可能
基本的にボディ構造をいじらないのがバンコンだが、ハイルーフを大型化したりポップアップルーフを備えるモデルも存在する。ポップアップルーフは空力面での影響が少なく、バンコンならではの走行感覚の高さが維持される。
ポップアップルーフを備えたバンコンは標準ルーフ+αの全高が多く、立体駐車場が使える。
バンコンはこんな人にオススメ
マルチに使えるため誰にでもオススメ
ベース車両とさほど変わらない運転感覚のバンコンは、移動中にキャンピングカーならではのストレスを感じにくい。
手に入れたからにはどんどん出掛けたくなるものだけに、その足を引っ張ることのないバンコンは初心者向きである。
1カ所に長期滞在するより、いろんな土地を巡る方が好きな人にもマッチする。大型のモデルなら室内が広く、積載を重視したモデルも多いため、キャンプ+αで使いたい多趣味な人にも使いやすい。
多くの人が選ぶということは、幅広いシーンで活躍するということだ。